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エンタメとしては良作 映画『君の名は。』感想・レビュー

まず、映画の根幹に関わるところが一番不自然です。

ヒロインの三葉が、東京にわざわざ出向き、初めて実物の瀧君に会いに行くシーン。

電車の中でまったく知らない少女(三葉)に、いきなり名前呼びで声をかけられる瀧君。この時、三葉は瀧君のことを知っていても、瀧君は三葉のことを知りません。そんな不審人物にいきなり声をかけられ、その後で相手の名前を聞き返すでしょうか?

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しかもその後で、電車の人混み中で瀧君は三葉から『組紐』を投げつけられます。いきなり名前を呼びかけてきた不審人物が投げつけてきた紐を普通キャッチするでしょうか?

それだけでなく瀧君はその後、名前をいきなり呼んできた不審人物が投げつけてきた紐を『3年間も』大事に持っていた事になります。3年ですよ? 普通の人なら不気味なので捨てます。

正直言って、純粋に瀧君が気持ち悪いです。

映画の最重要な根幹部分である『組紐の受け渡しシーン』が不自然の塊です。

それ以外にも、おかしい点が多数あります。

まず、三葉と瀧君がいつお互いを好きになったのかが分かりません。

分かりませんというか、描かれていません。三葉と瀧君が夢の中でお互いの体が入れ替わる日常が美しい映像と音楽でダイジェストのように流された後、突然何の前触れもきっかけも理由もなくお互い相思相愛になっています。

瀧君と瀧君のバイト先の先輩(奥寺)が仲良くなる過程はしっかりと描かれているのにも関わらずです。

主人公もヒロインも、わけも分からずいきなり涙を流し始めますから、この恋は『運命』だったと解釈するしかありません。それでもかなりおかしいですが。

次には、瀧君と三葉の入れ替わりの日常がなくなり、瀧君が三葉を探し始めるシーンも不自然でした。

あれだけ、夢で見てきた三葉の住んでいた街の風景を正確に描けるのに、三葉の顔をどうして描かなかったのか?

人探しをするなら人物画は重要です。三葉の顔は夢の中でも鏡で散々見ているはずです。

三葉の顔を覚えてなくても、毎日夢で通っていた学校やその学校の制服を描けば重要な手がかりになるはずです。学校名も忘れてしまったのでしょうか。記憶の失い方がご都合主義すぎます。

他にも、二人がお互いに相手を「忘れちゃ駄目な人」と認識しているのに、その忘れようとしないための意識と努力が薄弱なことも気になりました。

三葉はまだ分かるんですよ。彗星の落下で家が全壊して瀧君や自分が色々書いていたノートなどが消失または紛失してしまった、ということであれば納得できるんです。

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