映画『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』 感想・レビュー

2016年4月16日映画感想アニメ,レビュー,映画

著者: 今井 阿見

名探偵コナンの映画でシリーズ20作目となる劇場版『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』を観てきました。

公開初日だったので、映画館は激混みでした。座席はネットで予約していたので、ほぼ真ん中に近い位置で快適に見ることが出来てよかったです。

以下、ネタバレを含んだ映画『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』の感想・レビューです。

『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』感想

ほぼ推理なしのアクション映画

名探偵コナンといえば、犯人特定などの推理パートが作品の見所ですが、今作品ではそれはほぼないと言えるレベルでした。

映画の内容はカーチェイスと銃撃戦とアクションが主となっています。ドンパチが好きな人向けですね。

探偵の毛利小五郎、毛利蘭にいたっては、この映画に出てこなくても話が成立するレベルでした。

劇場版コナンでよくある「新一ぃい!!」「らぁああん!!!」みたいなドラマチックな掛け合いはないです。それっぽいシーンはありましたがヒロイン役は灰原哀に完全に奪われてましたね……。

蘭の親友の鈴木園子は少年探偵団の盛り上げ役(観覧車パート)に一役買っていますが、本当にそれだけです。

どんな役割かというと、通常は乗れない観覧車に、歩美、元太、光彦を乗せてもらうために、鈴木財閥の力を使っただけなので、完全にただのコネ役です……。

今作で推理と呼べるものが見れるのは、黒の組織のNo.2 である、ラムの腹心の「キュラソー」(天海祐希)が映画序盤で記憶喪失した形でコナンと接触したシーンの身元調査くらいです。

あとは推理というより「機転を利かせてコナン君が動いている」に過ぎません。そんな展開がずっと続きます。

この映画の見所は推理ではなく、黒の組織とFBIの赤井秀一、公安警察の安室透(バーボン)、CIAの水無怜奈(キール)、元組織の人間の灰原哀(シェリー)の全面対決とも呼べる水族館や観覧車での攻防です。

逆に言えば、赤井秀一と安室透が殴りあったり、協力しあったりするので、赤井秀一と安室透のファンにはたまらない映画となっていると思います。

キュラソーが盗んだ「ノックリスト」

映画は冒頭でキュラソーが警察庁から機密情報の「ノックリスト」を盗んだところから始まります。

ノックリストには黒ずくめの組織に潜伏している各国のスパイの情報が記されていて、その中にバーボン(安室透)、キール(水無怜奈)も載っていました。

バーボン、キール以外のスパイは黒の組織にあっさりと殺されますが、その組織の殺し方があまりにもお粗末過ぎました!

周りに人がいる状況の相手をライフルで射殺とか真っ昼間にヘリコプターから射殺とか雑過ぎるでしょ!!

監視カメラやスマホが普及した現代ですぐ足が付きそうな殺し方ばかりで、なんでこんな雑な殺し方をする組織がいまだに崩壊していないのか本当に謎です。謎の組織です。

でもまぁ、公安の安室透がノックリストや黒の組織よりも、赤井さんを倒すことに執着してる時点で正義も悪もどっちも駄目なんだなと感じました。

お前ら、正義同士が観覧車の上で殴りあってんじゃねーよ!! 赤井さんも安室さんに因縁つけられて大変ですねぇ……。

その他にも警察庁の人が二人きりでキュラソーと観覧車に乗るシーンなんてギャグですね。組織なめすぎじゃないですか? 前にサーバールームで格闘して逃げられてるのを忘れたの?

結局、観覧車でもキュラソーに逃げられてますし、そんなことだからノックリストが盗まれるんですよ。

スマホが頻繁に出てきて時代を感じた

名探偵コナン初期の頃は、コナン君が蝶ネクタイ型変声機をつかって公衆電話から蘭に電話をかけたり、弁当型携帯FAXというアガサ博士の謎発明品を使っていましたが、今作品ではスマホが頻繁に出てきて時代を感じました。

キュラソーが組織に連絡するのもスマホ、コナンが使うのもスマホ、光彦たちが使うのもスマホと、スマートフォンのオンパレードでした。

劇場版コナンもこれで第20弾ですからね。そりゃ時代も変化しますよ。

初期のコナンは使い捨てカメラを使ったトリックとかありましたけど、今そんなことしてたら不自然すぎてすぐ疑われます。

近頃はコナン本編でタブレット端末を使ったトリックもありましたから、時の流れって怖いものですね。この映画は初期のコナンとの時代背景を比べるとより楽しめると思います。

といいますか、今作でも出てきた「犯人追跡メガネ」「キック力増強シューズ」「伸縮サスペンダー」が、登場から20年以上経った今でもオーバーテクノロジーなのはどういうことなんだ?

観覧車転がすのが最近の流行り?

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劇中で何度も登場する2輪観覧車ですが、映画のクライマックスで車軸が爆破され、転がっていくシーンでは劇場版ガルパンの「ミフネ作戦」を彷彿させました。

あまりの転がりぶりに「観覧車先輩! お疲れ様です!」と言いたくなるくらいでした。しっかし、観覧車って車軸が外れたらあんなに綺麗に転がるものなの?

コナンは車軸が壊れ、ごろごろ転がっていく観覧車を止めるわけですが、止めるのに使った道具が「伸縮サスペンダー」と「ボール射出ベルト」でした。

アガサ博士さまさまですね!! この展開『天空の難破船』でも観たぞ!

コナン君が人間をやめてしまったのはだいぶ前からだけど、流石に転がる観覧車を止めたのは度肝を抜かれたぞ!! 少なく見積もっても1,000トン以上の重さがあるぞあれ。

ちょっと調べてみるとデジモンの映画でも観覧車がぶっ壊されてるらしく、最近のアニメ映画では観覧車をぶっ壊すのが流行しているのかもしれません。

そう考えると、スピルバーク監督の映画 『1941』 は時代を先取りしていたのかもしれません。再評価されるべきですね。

コナンファンにはおすすめの映画「純黒の悪夢」

ここまで、ツッコミも交えつつ映画『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』の感想を書いてきましたが、アクション映画としてみれば普通に面白くコナンファンであればとても楽しめる映画だと思います!

黒の組織もジン、ウォッカ、ベルモットだけでなくキャンティ、コルンと勢揃いですし、天海祐希さんが演じるキュラソーも結構はまり役なので、違和感なく楽しめました!

何色にもなれるオッドアイの「キュラソー」というキャラクターはよく考えたなと思います。

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私は映画館にて入場者プレゼントの「青山剛昌からの純黒の感謝状」をもらいました。

こちらの入場者プレゼントはシリアルコードを入力することで、過去の劇場版コナンの1~19作品のうち好きな作品1本を無料で見られるという素晴らしい特典です! 私は特典で「ベイカー街の亡霊」を見ました!

いずれにせよ特典のあるなしにかかわらず、純黒の悪夢(ナイトメア)は古くからのコナンファンには楽しめる内容となっていました。

黒の組織もNo.2のラムが声だけ登場しますし、最後には服部平次が出てきそうな次回作の予告があるので、コナンファンは必見の映画だと思います!

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今井阿見

当ブログ『PLUS1WORLD』の記事執筆、編集、校正、プログラミング(一部)、管理を行っているのは今井阿見(いまいあみ)という個人のブロガーです。ブログは趣味と実益を兼ねて運営しています。

今井阿見は30年近くゲームを遊んでいるベテランのゲーマー。学生時代にゲーム作りや映像制作を行っていたので、ゲームだけでなく、映画やアニメなどの映像作品、スマートフォンやパソコン、ガジェットなどの分野にも深く関心があります。

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