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アドラー心理学の限界を感じた『幸せになる勇気』感想・レビュー

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労働の生産性が向上した現代では、労働者は人はどんどん要らなくなっています。それによって労働による『貢献の機会』は減っていってます。

これからも労働の機械化、自動化が進み、より多くの人が仕事からあぶれる未来も予測されています。

人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる—そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授である。

そのオズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、いま世界中で話題となっている。

―― オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」 より

多くの仕事が機械に置き換わる。

タクシーやバスの運転は自動化され、電話オペレーターもAI(人工知能)がこなす時代がやってくるでしょう。

労働という形で社会という共同体に対しての『貢献感を得る』ことが難しくなってきます。

なぜなら、人間が労働に参加することが年々難しくなっているからです。

社会に労働という形で貢献が難しければ、アドラーのいう「共同体に対する貢献感」からの「幸福」も難しくなります。

すべての仕事は「共同体の誰かがやらねばならないこと」ではなくなってきています。

仕事以外の貢献感は?

仕事で社会への貢献考えられないのならボランティアで貢献感を得ればいいのではという方もいるかもしれません。

ですが、まず自分の生活があってからの社会貢献です。お金も仕事もない状態の人はボランティアどころではありません。

労働という形でなければ、家庭という共同体での貢献というのもあります。

しかし、昨今は晩婚化が進み、結婚していない人も多くいるため、貢献する家庭がないという人も珍しくありません。家庭を持つにはそれなりの収入が必要です。

『幸せになる勇気』では「職にあぶれた孤独な人がどのように貢献感を得ればいいのか」という疑問に対する答えが見つかりませんでした。

アドラーの『前提』が覆る社会

書籍『幸せになる勇気』では、人間は生存するために社会を形成し、分業することで生き抜いてきたとあります。

長らく人類の社会では「食うために働く」、生きることと働くことは同一のことでした。

しかし、生産性の上がりすぎた現代では、世界はそれほど「労働」を必要としなくなってきています。

生きるためにはお金が必要です。それなのに社会では「労働力としての自分は必要とされない」という状況が広がりつつあります。

「労働」以外で共同体に対して貢献する方法を見つけれない人は『幸せになる勇気』に書かれた「幸福」の実現は困難になります。

共同体に貢献できず、社会で必要とされなかった結果、自分を必要としてくれる「宗教団体」や「テロ組織」にハマってしまう人もいるのかもしれません。

この本に掲載されている心理学者アドラーの提唱した考え方は素晴らしいのですが、『幸せになる勇気』を読んだ結果、その幸福論が現代では通用しなくなってきているのではないかと感じました。

幸せになる勇気

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