【確定申告】個人向けクラウド会計ソフトを比較してみた【青色申告】
確定申告の季節がやって参りました。面倒くさいですよねー、確定申告。
私は、去年に個人事業主の開業届を出したので、昨年度分は白色申告で済みましたが、今年度分の売り上げはしっかりと青色申告をしていかなければなりません。
とは言うものの、確定申告や税金に関する知識が希薄、簿記の経験もないので色々と不安です。
そこで、最近広まりつつある、個人事業者向けクラウド会計サービスを使ってみることにしました。
確定申告用クラウド会計ソフト比較 おすすめは?
パソコンにインストールして使う個人事業主向けの確定申告用ソフトは既に様々な種類の物が世に出回っています。
しかし、確定申告に対応したクラウド型の会計ソフトは比較的最近本格的に始まったサービスなので、あまり種類はありません。
現時点で個人事業主向けの青色申告対応クラウド会計ソフトは「freee(フリー)」「やよいの青色申告 オンライン」「MFクラウド確定申告」の3つが有名です。
なんで、インストール型のパソコン用会計ソフトじゃなくて、クラウド会計ソフトを選ぶのか? と思われる方もいると思います。
その答えは「スマートフォンやタブレット端末からもアクセスできる」からです。
私は、日々の記録を帳簿を残すために、毎回パソコンを起動するのが面倒だと考えています。
最近は、パソコンよりもスマートフォンをいじっている時間のほうが長いですから、スマホで経費などの会計の記録を取りたいわけです。それにはクラウド型の会計ソフトが適しています。
またクラウドサービスであれば、パソコンが壊れた際にデータを失うリスクも無くなります。
現在、個人事業主向けの青色申告対応クラウド会計ソフトは発展途上ですが、現時点(2015年2月10日)で「freee(フリー)」「やよいの青色申告 オンライン」「MFクラウド確定申告」の3つの内のどこが一番良さそうなのか調べてみました。
freee(フリー)
会計ソフト「freee(フリー)」|全自動のクラウド会計ソフト
最近知名度が上がっている会計ソフトそれが「freee(フリー)」です。
料金は、個人事業主 年払い だと 9,800円/年。3つのサービスの中で一番料金が高いです。
ここの特徴は「全自動のクラウド会計ソフト」を謳っているところです。
触っていると確かに全自動を謳っているだけあって、ユーザーが帳簿をつけていく労力が可能な限り減るように作られています。
そして、スマートフォン向けアプリも用意されており、クラウド型会計ソフトの利点を最大限に発揮しています。
会計アプリ freee(フリー) – 経理や確定申告・決算が簡単になる全自動のクラウド会計ソフト – freee k.k.
経理アプリ freee(フリー)- 会計・確定申告が簡単に。 – Google Play の Android アプリ
可能な限り楽に青色申告をしたい! という方には freee は最適のソフトだと思われます。
freee(フリー) の問題点
青色申告する方はご存知だと思いますが、青色申告には記帳義務があります。
簡易帳簿(現金出納帳、預金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳)などを7年間保存しておかなくてはなりません。税務調査の際に帳簿の提示などが出来ない場合には、青色申告の承認が取り消されることもあります。
そして、freee で自動的に作られるのは預金出納帳 だけです。
現金出納帳、売掛帳、買掛帳、経費帳 は自分で入力して作成する必要があります。
freee は全自動を押し出しているソフトなだけに、すべての基本帳簿を全部自動で作ってくれそうな印象がありますが、そうではありません。現金での取引が多い場合 freee を使っても会計業務が楽になりません。
で、実際に freee で現金出納帳を作ってみようとしたのですが、会計初心者の私には分かりにくく挫折しました。
また、さらに freee は肝心の全自動会計の部分があまり信頼できません。
インターネットでは下記リンクのようにバグや不具合、会計上の問題が報告されています。
#freee を使うべきでないたった1つの理由 – はやしのブログ Rev.3
freeeを試してみた。このソフト、こんな宣伝の仕方で大丈夫なの?|起業・創業支援-東京都の公認会計士・税理士@渋谷区・新宿区
そして、iPhone、Android アプリのレビューにもうまく動作しないという報告が数多く掲載されています。
簿記の知識のない初心者向け全自動会計ソフトだと思って freee を使うと痛い目にあうでしょう。
やよいの青色申告 オンライン
やよいの青色申告 オンライン|青色申告・確定申告ソフトなら弥生
「やよいの青色申告 オンライン」は既に青色申告用ソフトで有名な「やよいの青色申告」シリーズのオンラインバージョン、つまりクラウド版です。
料金は、有料プランが2つあり、セルフプランが 8,640円/年(キャンペーン適用時:初年度は無料)で、ベーシックプランが 12,960円/年 (キャンペーン適用時:初年度は6,480円/年)3つのサービスの中で一番料金が安いです。
ここの特徴は他社や弥生の会計・申告ソフトの取引データを取り込むことができます。(データ形式は、弥生形式の仕訳データ(CSVおよびTXTデータ)が対象)
残念ながら、ここのサービスはスマートフォン向けアプリを現時点では提供していません。今後の展開に期待するしかないようです。
取引データのインポートのインポートが出来るという点で、既に「やよいの青色申告」をパソコンにインストールしている人向けのサービスといったところでしょうか。
やよいの青色申告 オンラインの問題点
実際に使ってみましたが、全体的に管理画面がやたら重いです。サクサク感は0です。
同じページで作業を続ける際は問題ありませんが、別のページに移動する際に重さを実感します。イライラさせられました。
また、問題はそれだけでなく、やよいの青色申告 オンラインは銀行明細、クレジットカードの取引データの取り込みを外部サービスに頼っています。
現在利用可能な外部サービスは MoneyLook、Zaim、Moneytree の3つのみ。
それぞれ、Windows対応にしか対応していなかったり、iPhoneにしか対応していなかったりと使える環境がバラバラです。
なので、自分が使用可能なサービスが、登録したい金融機関、クレジットカード会社に対応していなければいけません。
私は利用可能な外部サービスが私の使用しているクレジットカードに対応していませんでした。
外部サービスが対応していない場合は、その銀行の明細、クレジットカードの明細を手入力していくしかありません。
対応していない、金融機関、クレジットカード会社が、今後対応するかどうかは外部サービス次第となります。
MFクラウド確定申告
「MFクラウド確定申告」は、株式会社マネーフォワードが運営するクラウド型の会計ソフトサービスです。
料金は、プレミアム会員年額プラン が 8,800円/年 となっています。
ここの特徴は、同価格帯のサービスの中で一番サポート体制が充実しているところです。追加料金なしで、メールやチャット、電話のサポートが受けられます。
freee ではメールやチャットのサポートがありますが、電話のサポートは過去に期間限定でやっていただけで今はないようです。やよいの青色申告 オンライン では、12,960円/年 のベーシックプランを選ばないと、電話、メールのサポートを受けられません。(チャットはなし)
サポートも込みでクラウド型会計ソフトを選ぶなら、MFクラウド確定申告が最適です。
MFクラウド確定申告の問題点
MFクラウド確定申告 はレシート情報の読み取りアプリは提供されていますが、スマホやタブレットで仕訳登録ができるMFクラウド確定申告用アプリは提供されていません。
なので、スマホで経理作業を効率化することが出来ず、あまりクラウド型会計ソフトであることが活かされていません。
また、MFクラウド確定申告 の自動仕分け機能は以前より改善されましたが、まだ難があります。
そして、アマゾンのレビューでバグや使いにくさを訴えるユーザーがいるため、サービスとしてあまり安心して信用できません。
私の場合、MFクラウドの売り物である
金融機関からのデーター自動取得にバグが発生し
20日以上データーの自動取得ができなかった。かなりの数の金融機関・クレジットカードからのデーター自動取得に
バグが有り使いづらいです。
開発も小さい会社なので、バグの修正に時間が掛かる。―― Amazon.co.jp: MFクラウド確定申告(青色申告・白色申告) [Mac/Win対応]の Stargazerさんのレビュー より
個人事業主で、使用するために購入しましたが、とにかくひどい。
―― Amazon.co.jp: マネーフォワード 確定申告(青色申告・白色申告)(個人事業主向けプレミアム版 ・Wi…の しん “シン"さんのレビュー より
私は利用していて、今のところバグは確認していませんが、まだ利用し始めて日が浅いため、なんとも言えません。ですが、こういった口コミがあると長期利用していいのかと悩むところがあります。
個人事業者向けクラウド会計ソフトを比較した結果
確定申告の青色申告に対応した個人事業主向けのクラウド型会計ソフト「freee(フリー)」「やよいの青色申告 オンライン」「MFクラウド確定申告」の3つを実際に比較してみたわけですが、どのソフトもサービスとしてまだ未熟だと感じました。
やはりクラウド会計ソフトは時期尚早で、どれも使い勝手が悪く、成熟しているとは言えないサービスです。これはまだ歴史が浅いので仕方がないことだと思います。今後のサービスの成長に期待するしかありません。
この3つのサービスの中で、あえて現時点で選ぶとするなら「やよいの青色申告 オンライン」ですかね。
3つのサービスの中で、「やよいの青色申告 オンライン」が一番バグや不具合に関する情報がネット上では少ない感じです。
私は会計・帳簿のデータは正確さに比重をおいてます。いくら簡単に基本帳簿が作れても正しくなければ意味無いですからね。
また、「やよいの青色申告 オンライン」を推す理由として、500円という安価な価格で、電子書籍の解説本が手に入るからです。
個人事業主・フリーランスのための青色申告 平成27年3月16日締切分 無料で使える! やよいの青色申告オンライン対応 (アスキー書籍)
この解説本、非常に分かりやすくオススメです! ただ、この電子書籍は文字を拡大できないため、タブレットやPCでKindleの本を読むことが出来ない方は、文字が小さすぎて読めないと思います。それがこの解説本を購入する際の注意点です。
前述の通り、青色申告に対応した個人事業主向けのクラウド型会計ソフトはサービスとしてまだ微妙です。クラウド型にこだわりがないなら、確定申告はパソコンにインストールするタイプのソフトを選ぶか、税理士/公認会計士さんと契約した方が、結果的には楽に確定申告出来そうです。