Google Glass の開発を劇的に効率化させた「ラピッドプロトタイピング」
現在、Googleが開発を進めているメガネ型コンピュータ端末「Google Glass」
この Google Glass がどのようにして作られているか、皆さん気になりませんか?
今までに無かった(流行らなかった)デバイスですので、こういったメガネ型端末における知識は文献も少なく、作成のノウハウも十分ではありません。Google Glass の開発は、まさに0からのスタートです。
Google Glass の最初のバージョンの試作機が完成するまでに一体どれだけの期間がかかったか予想出来ますか?
数年? 数ヶ月? 数週間? 答えはなんと1日だそうです。
「ラピッドプロトタイピング」で開発を効率化
トム・チー 「Google Glassのラピッドプロトタイピング」 – YouTube
動画の後半辺りで「ラピッドプロトタイピング」という単語が出てきます。ラピッドプロトタイピングは製品開発(試作品開発)の1つの手法です。
製品開発サイクルの短期間化に伴い、試作品の製作の期間も短縮する必要が高まった。そこで、性能評価のニーズが下がったことを考慮し、形状のみを早期に作成する手法としてラピッドプロトタイピングが登場してきた。
―― ラピッドプロトタイピング – Wikipedia より
「製品の手触り、感触を手っ取り早く確認したい」こうした要望に答えられるのが、このラピッドプロトタイピングです。
Google Glass のような常に肌に触れているような製品の開発にはもってこいの手法です。
現在は低価格な3Dプリンタの普及もあり、この開発手法が注目されているそうです。
Google Glass の最初の試作機には3Dプリンタは使わず、ハンガーが使われたそうです。なんでも使うんですね。
動画の中で、SF映画「マイノリティ・リポート」のような、手を使う操作方法を Google Glass 試作機に導入した例が紹介されますが、こちらも導入までにかかった期間が、たったの45分という驚異的な早さです。
*画像は動画より
この操作方法、映画ではかっこいい様に見えますが、実際使ってみると不便だったそうです。ラピッドプロトタイピングで早め早めに手触りを確認しておくと、何が駄目なのかいち早く分かり、開発が効率化できます。
アルミワイヤー、紙、粘土。こういったものを駆使して、快適に Google Glass を使えるように実際のメガネの装着感を色々試した結果「眼鏡に感じる重みは鼻にかかる重みで決まる」ということが分かったそうです。眼鏡そのものは昔からありましたが、このように試してみる事で今まで知られていなかった事実が浮かび上がってきます。実際やってみないと分からないことは多いですね。
頭で考えるのでなく、まず先に触れるもの、動くものを作ってみる。
「ラピッドプロトタイピング」の手法はこれから様々な分野の製品で使われていきそうです。仕事効率化したい人は参考にすると良さそうですね。