映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』感想・レビュー
2021年4月16日、名探偵コナンの映画でシリーズ24作目となる劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』を観てきました。昨年は新型コロナウイルスの影響でコナンの映画の公開自体がなかったので劇場でコナンを見るのは久しぶりです。
私が見に行ったのは映画公開初日の朝ですが、平日の早朝にも関わらず座席の半分近くは埋まっていました。映画を確実にそして快適に見たい方は座席をネットで予約してから見に行ったほうが良い座席で見られると思います。
私は映画をIMAXシアターで観てきました。以下は、ネタバレを含んだ映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』の感想・レビューです。
映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』感想・レビュー
映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』はコナンの映画で初めて赤井ファミリーにスポットライトを当てた作品。
オリンピックをモチーフにしたスポーツ大会や真空超電導リニアなどが登場。日本人なら少し気分が上がるかも知れない内容。
完全にコナンファン向けのエンタメ映画
コナン映画といえばアバンタイトル後の「俺は高校生探偵、工藤新一。」から始まる観客への作品説明となる前口上が定番ですね。今作もその辺は同様ですが、説明はFBIと赤井ファミリーの説明が中心となっていました。
説明があるとはいえ、この序盤の短時間の解説でコナン初心者が作中のFBIと赤井ファミリーのことを把握できるかと言ったら間違いなく無理です。つまりこれは原作を履修してる人が内容を思い出すための説明になっています。
劇中で犯人追跡メガネやターボエンジン付きスケートボード、どこでもボール射出ベルト、キック力増強シューズなどの阿笠博士の発明品が大活躍しますが序盤の説明には出てきません。これらは当然知っている物として扱われます。
今作の冒頭の説明は最低限なので、名探偵コナンを詳しく知らない人が見るには適した作品ではありません。逆に言えば名探偵コナンという作品に対する理解度が高ければ高いほど楽しめる作品になっています。
具体的な例で言えば、コナンが終盤で犯人を死なせようとしないのは「ピアノソナタ『月光』殺人事件」の影響を彷彿とさせました。他にもジョディ先生が語るFBIの証人保護プログラムのシーンはグッと来る人も多いはずです。
コナンのファンなら劇中の様々シーンで過去のエピソードの記憶を呼び覚まされることになるでしょう。この映画は完全にコナンファン向けのエンタメ映画となっています。
異次元の能力を見せる赤井ファミリー
本作は予告編通り、赤井ファミリーの赤井秀一・羽田秀吉・世良真純・メアリーの4人が登場しまくります。なので赤井ファミリー好きは楽しめます! 私は世良真純が好きなので中盤からのコナンと世良の絡みは楽しめました。
今作でコナンは世良にスマホ2台持ちをバラしたりしているので2人の関係性に進展があったと言えなくもありません。彼は積極的に正体を明かす気はないようですが、もう彼女にはバレても仕方ないなと思っているんでしょう。
赤井秀一は「異次元の狙撃手」で超長距離狙撃は既にしているので、今作はどうするんだろうと思っていました。まさか、走行中のリニアを線路の後ろから銀の弾丸で狙撃するとは……。インパクト凄すぎ!
時速1000キロで走るリニアが「ジャパニーズブレッド」と呼ばれていることが伏線になるとは思いませんでしたよ。
羽田秀吉は終盤のカーチェイスまで活躍はありませんでしたが、それまでは由美タンとの絡みが面白すぎました。シリアス雰囲気の赤井ファミリーに彼女が加わるのを既に楽しみにしています。
映画終盤で沖矢昴(赤井秀一)を小僧呼ばわりするメアリー母さんと小僧と呼ばれて何だか嬉しそうな赤井秀一を見て内心盛り上がりました。というか赤井秀一の背後を取れるメアリー母さんは間違いなく強者ですね……。
灰原大活躍! 灰原好きなら必見!
今作は赤井ファミリーが中心となることは映画の予告編から想像できたので驚きはありませんでしたが、予想外だったのが「緋色の弾丸」は灰原哀が無茶苦茶活躍する映画だったということです。
MRIの緊急停止によって発生した「クエンチ」に早い段階で気づき、「クエンチ」を知らない工藤新一にその知識を披露するなど、今作で灰原は知識面でコナンの推理をサポートしています。
それだけでなく予備の追跡メガネを持ってきていたことや探偵団バッジによる通信でのサポート、犯人からタブレット型端末を奪ったりなどしているので灰原なしには事件は解決しなかったと言っても過言ではないでしょう。
映画終盤のコナンと灰原のやり取りを見て「もうお前ら結婚しろよ」とか「哀ちゃんを不幸にしたら許さないぞ」とか思った人も多いでのはないでしょうか、私もその一人です。この二人の関係性でしか得られない満足感がある!!
IMAXで見ると大迫力だが耳が疲れた
私は音響にはこだわりがあるので、映画館で迫力がありそうな映画を見る時は基本的にはIMAXで視聴するようにしています。今作の「緋色の弾丸」もIMAXシアターで視聴しました。
コナン映画と言えば爆発が多いことで有名ですが「緋色の弾丸」は他のコナン映画と比べて爆発が少なめでした。とはいうもののカーチェイスシーンや映画終盤のリニアの脱線シーンはIMAXで見たら大迫力でした。
特にリニアの脱線シーンは大音響が続いた後、リニアの全車両がグチャグチャになりスタジアムもぶっ壊れたのでコナン君さすがに今作は死んだかと思いました。
しかしながら、一瞬で終わる爆発音と比べリニアの脱線で発生する轟音は長く続くため耳が疲れました。あんまり疲れたくない人はIMAXで見ないほうがよいと思います。
子供と一緒に見るには厳しい映画
昨年は劇場版「鬼滅の刃」の上映などでアニメを子供と一緒に映画館に観に行った親御さんは結構いると思います。今作の「緋色の弾丸」をアニメ映画だからと考えて同じノリで親子で見に行こうとするのはおすすめできません。
理由はこの映画は子供が見るには向かない映画だからです。まず話の中心に15年前のアメリカでのFBIが絡んだ事件があり、証人保護プログラムなどの意味が理解できる年齢でなければストーリーの要点が把握できません。
また映画の所々で英語が使用され、そのたびに字幕が表示されます。文字を読むのが遅い子供や字幕にまだ慣れていない年齢だと話の理解が遅れて置いてきぼりを喰らうでしょう。話の展開自体も早いです。
子供が日頃からコナンを見まくっている熱狂的なファンでない限りは親子揃って見に行くことをおすすめできません。
映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』待った甲斐はあった
以上が、映画『名探偵コナン 緋色の弾丸』感想・レビューです。コナンに詳しければ詳しいほど楽しめるコナンファン向けのエンタメ映画でした。1年間待った甲斐があるクオリティに仕上がっています。
赤井ファミリーにFBI、超伝導リニアなど様々な要素が盛りだくさんな上に中だるみが一切ないテンポで進む映画なので、映画を見る前日はしっかりと寝て、集中できる状態で観ることをおすすめします。
今、新型コロナウイルスの変異株が全国に広がりつつある状況なので、感染が怖い方はなるべく早いうちに映画館に行って見たほうがいいでしょう。いつまた気軽に映画館に通えなくなるか分かりませんからね。