映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』感想・レビュー

2023年4月14日映画感想アニメ,レビュー,映画

著者: 今井 阿見

名探偵コナンの映画でシリーズ26作目となる劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』を映画公開初日の2023年4月14日に観てきました。朝9時台の上映にも関わらず座席の半分以上を埋め尽くす程の人が来ていました。

今作は『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』 以来の黒ずくめの組織が関わってくる劇場作品。コナンの映画はコロナ禍で上映が延期になったことがあるため、劇場で黒ずくめの組織を見るのは久しぶりのような気がします。

以下は、ネタバレを含んだ映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』の感想・レビューです。

『名探偵コナン 黒鉄の魚影』感想・レビュー

劇場版『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』予告②【4月14日(金)公開】 – YouTube

コナン映画の過去作を事前に履修(復習)した方が楽しめる

今作には過去のコナン映画の黒ずくめの組織の死んだキャラ(アイリッシュやキュラソー)のコードネームが出てきます。今作で新たに登場する「ピンガ」はキュラソーに代わるラムの側近として描かれています。

キュラソーってどんなやつだっけ? という人は復習がてら『名探偵コナン 純黒の悪夢(ナイトメア)』 を観たほうが良いと思います。

また映画の終盤の展開はコナン映画の2作目である『名探偵コナン 14番目の標的(ターゲット)』を彷彿とさせる描写があります。完全に意図した描写なので知っているか知っていないかで感想が変わるレベルです。

コナン映画は既に25作品もあるので全部見ろとはいいませんが、内容を忘れたという人は少なくとも過去の黒ずくめの組織が出てくる作品と14番目の標的を映画を見る前に復習したほうが「黒鉄の魚影」をより楽しめると思います。

黒ずくめの組織の連中の見どころ

ピンガは有能だが……

今作で初登場となる黒ずくめの組織の一員の「ピンガ」はなかなか優秀な奴でした、コナンと阿笠博士の追跡から逃げ切り、灰原哀の誘拐に成功してますし、毛利蘭との格闘戦で2度も倒されずに逃げ切っています。

独力でコナンの正体を見破ったアイリッシュには負けますが、老若認証システムを使ってコナンの正体を工藤新一だと見破っているので結構有能です。ディープフェイクでのアリバイ作りや変装技術もなかなかのレベルです。

まぁ、それでも江戸川コナンに『ジンもどきのチンピラ』と煽られてキレ散らかすメンタルの持ち主なのでかなり使いにくそうな人物です。というか、ジンの兄貴どんだけ嫌われているのよ……。

ウォッカ無能すぎる……

ジンは作中で失態を起こすたびにドジンなどとファンの中で揶揄されたりしますが、今作はジンよりもウォッカの失態が酷かったです。まず、灰原哀を直接見ても宮野志保だと確信できないし、その灰原哀を逃してしまいます。

逃してしまう理由も情けなく、自分で脱出方法をペラペラと喋ってしまいそれを盗み聞きされてしまったのが原因です。今作はウォッカのセリフ量が多いのですが、己の無能さをアピールする結果にしかなっていません。

逆に言えば、灰原たちを解ける縄で縛り、ウォッカとの会話を盗聴させ、ジンの脱出妨害を阻止したキールが超有能ということになりますが……。

まぁ、ウォッカの無能さを「ベルモットの嘘に騙され」「優秀なピンガを潜水艦ごと葬る」ことで上回ってくるジン兄貴の無能さには驚きました……。

灰原哀とコナンの掛け替えのない絆が良い

今作で灰原哀が黒ずくめの組織に誘拐された時に見せるコナン君の表情が堪りませんでした。「取り返す」宣言した時や佐藤刑事に声を荒げてしまうシーンではコナンが灰原哀を唯一無二の存在だと感じていることが伝わってきます。

灰原哀とコナンの見所は本作の随所にあり、絶対正体のバレない眼鏡をお守り代わりに渡すシーンや灰原哀がコナンの不敵な顔をどう感じているか内心が描かれるシーンなど、コナンと灰原の絡みが好きな人は最後まで退屈しません。

今作でコナンと灰原哀の関係に進展があったかのように見えましたが、灰原哀は弁えているので、毛利蘭と工藤新一の関係にヒビを入れるつもりはないようです。

今後コナン君が灰原哀を泣かせることになったら怒り狂うファンが今作で増えてしまったと思います。コナン君は責任を取って分裂してください。

直美がメンタルおばけ過ぎる

今作で灰原哀と一緒に黒ずくめの組織に誘拐される事になる技術者の直美さんですが、その直美さんのメンタルが強すぎると感じました。

本作では、以下のストレスが短期間に直美さんに襲いかかることになります。

  • 黒ずくめの組織に誘拐され潜水艦の中に監禁される
  • 自分の作ったシステムのせいで宮野志保に似た子供が誘拐される
  • 自分が黒ずくめの組織に抵抗したせいで父親が狙撃されるのを見せられる
  • パシフィック・ブイがシステム稼働から間もなく魚雷で沈められる

これらのストレスを短期間で受けたにも関わらず、灰原哀の言葉で立ち直れるのはメンタルが強すぎると感じました。自分ならシステムが悪用された時点で前を向いて生きていける気がしません。

また自分を襲った謎の組織が捕まったわけでもないので、普通なら自分がまた誘拐されるのではないかとビクビクして生活するのが当たり前だと思いますが、そんな素振りもありません。直美のメンタルは強心臓なのでしょう。

灰原が好きな人は絶対に見逃せない作品

以下は、ネタバレを含んだ映画『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』の感想・レビューです。今作は灰原哀がメインヒロインと言ってもいいほど出てきますので、灰原哀が好きな人は必ず観ておくべき作品だと思います。

劇場版名探偵コナンでおなじみの博士のクイズもありますし、全体を通して満足の行く出来だったと私は思います。顔認証システムやディープフェイクなど最新の技術が関わってくる話なのも個人的には楽しめました。

コナンは本編の方でラムの正体が発覚するなど、様々な進展があったので今後も目が離せませんね。映画の最後に次回の映画の予告がありましたが、次回は服部平次とキッドの映画になるようなので今から楽しみです。

小学館ジュニア文庫 名探偵コナン 黒鉄の魚影 劇場版 名探偵コナン

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今井阿見

当ブログ『PLUS1WORLD』の記事執筆、編集、校正、プログラミング(一部)、管理を行っているのは今井阿見(いまいあみ)という個人のブロガーです。ブログは趣味と実益を兼ねて運営しています。

今井阿見は30年近くゲームを遊んでいるベテランのゲーマー。学生時代にゲーム作りや映像制作を行っていたので、ゲームだけでなく、映画やアニメなどの映像作品、スマートフォンやパソコン、ガジェットなどの分野にも深く関心があります。

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