映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』感想
名探偵コナンの映画でシリーズ27作目となる劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』を観てきました。見に行った日は上映初日ではありませんが、平日なのに座席の3分の1くらいは埋まっていたように思います。
今作は久しぶりにコナンとキッドと服部平次の三者が出てくる劇場作品。今作は「ついに明かされる、“キッドの真実”」という触れ込みでプロモーションされているため「怪盗キッドファン」や「まじっく快斗」ファンは注目の一作。
そういった事情もあって「キッドの真実」に関するネタバレ回避のため事前の一般試写会等を行わなかったそうです。以下は、映画を見てきた私のネタバレを含んだ映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』の感想・レビューです。
『名探偵コナン 100万ドルの五稜星』感想・レビュー
劇場版『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』予告②【4月12日(金)公開】 – YouTube
半分くらいゴールデンカムイ
この映画、舞台は北海道だし、土方歳三出てくるし、内容はお宝争奪戦だし、暗号と謎を解いて宝の場所を探ってるし、武器を使ってドンパチし始めるしで内容の半分がゴールデンカムイみたいだなと感じました。
北海道の名所巡りを各キャラクター(主に大岡 紅葉)が行ってくれるので、北海道旅行を考えている人には良い映画なのではないかと思います。あと、刀が話の中心となってくるので刀剣好きの人にもおすすめです。
北海道(主に函館)の治安が悪い
本作にはお宝を巡って争う武器商人キャラが出てきます。このキャラが函館で普通に銃火器でコナンや平次を襲ってくるので本当に危険です。一般人を巻き込む爆弾テロも仄めかしてますし、地元警察では対処できないと思います。
他にも、函館の公道にヘリで上空からスタン・グレネードばらまく執事も出てきますし、爆弾を積んでるセスナを所有し運転する一般人も出てくるし、倫理観も治安も過去最低レベルに下がった函館を味わえます。ここは米花町か?
「キッドの真実」
映画の最後で明かされる「キッドの真実」ですが、それは工藤新一の父親の工藤優作と怪盗キッドの父親の黒羽盗一が兄弟であること、そして黒羽盗一が生きていて本作中に出てくるキャラクタに化けていたことの2つです。
それらの事実が明かされると、映画の上映終了後に観客席側でちょっとしたざわめきがありました。明かされた真実を元に考えると、コナンとキッドが従兄弟って事になります! そりゃあ驚く人が出てきても不思議じゃないですね。
劇中のシーンでも服部平次が怪盗キッドの顔が工藤新一に似ていることをコナンに指摘してますからね。コナンは「たまたまだよ」と受け流していましたが、映画の最後で答え合わせがあったことになります。
また、黒羽盗一が生きているなら、父親の死の真相を暴こうとして活動してる怪盗キッド(黒羽快斗)も前提が覆ります。中森警部や青子も出てきますし、今作は「まじっく快斗」ファンにはサプライズな内容でしたね。
いつも通りのエンタメ映画
コナン映画はではいつもの事ですが、今作もエンタメに全振りの映画でした。かなり駆け足ですが、何とかミステリーをやろうとしているところは評価できるでしょう。それでも、細かいことを考えるとツッコミどころが満載ですが。
例えば、映画序盤では怪盗キッドに真剣で勝負を挑むくらい怒りを露わにしていた服部平次が、次に合うときには襲われている怪盗キッドを助けて、その後は普通に話ができるくらい落ち着いているのも変です。
バイクでステンドグラス突き破ってまで怪盗キッドに迫る、前半のやたらとボルテージの高い服部平次はどこへ行ったんですか? やたらと感情の浮き沈みが激しい西の高校生探偵。服部平次が劇中を通して情緒不安定過ぎます。
また、お宝の内容を知らないあろう武器商人がそこまで宝に執着するのもかなり変です。実際お宝は今では使い物にならないエニグマ暗号機の様なものなので、どんな兵器か分からない状態であれだけ暴れ回るのは不自然です。
一般人である福城家の人間が爆弾付きセスナを用意できたのも謎だし、隙あれば盗聴器や発信機も使われまくりの世界観もなかなかイカれてました。昨今のコナン映画はエンタメ全振りなので細かい所に突っ込んだら負けですね。
今作は蘭姉ちゃんがナイスアシストで笑わせてくれました。平次が和葉への告白に選んだ場所を「ビッグベンよりも上」と太鼓判を押したり、告白の邪魔にならないよう手刀して去ったりするシーンでは笑うしかありませんでした。
今回は無いかなと思っていた阿笠博士のクイズもちゃんとありましたし、毎年のコナン映画が楽しめている人なら、今作も同様に楽しめるんじゃないかなと感じました。
怪盗キッドやまじっく快斗ファンは見逃せない一作
以上が、ネタバレを含んだ映画『名探偵コナン 100万ドルの五稜星(みちしるべ)』の感想・レビューです。北海道各地のスポットを転々とするので北海道の名所巡りを考えている方には良い参考になりそうなエンタメ映画です。
怪盗キッドの登場シーンはかなり多いですし、中森警部や青子も出てくるので「まじっく快斗」ファンは見逃せない一作になっていると思います。個人的には被疑者を狙撃から身を挺して守った中森警部の株が私の中で上がりました。
映画の最後に毎度のように挿入される予告では次回は長野県警が出てくる話になりそうでした。雪が降ってる描写もありましたし、風林火山からの引用もありました。どんな内容になるかは現時点では分かりませんが楽しみですね。