映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』感想・レビュー
名探偵コナンの映画でシリーズ25作目となる劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』を映画公開初日の2022年4月15日に観てきました。コロナ禍で雨の日という悪条件にも関わらず朝早くからの上映に結構人が来ていました。
上映前にざっと劇場を見渡しましたが、来場者の9割くらいは女性だったように思います。ハロウィンや花嫁といった題材や女性人気の高い安室透(降谷零)が出ていることが影響しているのでしょう。
私は映画をIMAXシアターで観てきたので映像と音響が共に迫力満点でした。以下は、ネタバレを含んだ映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の感想・レビューです。
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』感想・レビュー
劇場版『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』予告2【2022年4月15日公開】 – YouTube
昨今の情勢を踏まえてみると感慨深い映画
2022年現在、現実の世界では新型コロナウイルスの感染拡大やウクライナに対する露の軍事侵攻が起きています。これらの世界情勢に日本も巻き込まれており、平時と呼ばれる状況ではありません。
『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』は平時の渋谷が舞台となっていて、マスクも付けず渋谷でハロウィンを楽しむために人混みが出来ている状況が描かれています。
普段の生活で自分がコロナの影響でマスクが欠かせない日常を送っているせいで、作中の渋谷の人混みが出来ているシーンを見ると、思わず「密です!」と叫びたくなってしまいました。
さらに、今作は事件の被害者と加害者の両方にロシア人が出てきます。被害者がロシア語のメモを残しますし、コナンと灰原も普通にロシア語でコミュニケーションします。これでロシアを意識するなというのが無理でしょう。
本作はエンタメ映画としてはよく出来ていますが、そういった理由から辛い現実から現実逃避するために見る映画としてはおすすめできないなぁと感じました。
まぁ、作品に問題があるわけではなく公開タイミングが悪かったというだけなので、コナンが好きなら見ていて損はない作品に仕上がっています。上映後に拍手が起きるレベルだったので多くの観客が満足できる出来だと思います。
爆弾魔のプラーミャが強すぎる件
今作の悪役である正体不明の爆弾魔「プラーミャ」がコナン映画史上屈指の強さを誇っていました。プラーミャのスペックをまとめてみると以下のような感じになります。
- 強力な爆弾を個人で作れる
- 遠隔操作で爆発するタブレット端末を作れる
- 爆弾のある部屋に人を閉じ込める罠を作れる
- パルクールが出来る
- ワイヤーアクションが出来る
- ヘリの操縦ができる
- 複数の刑事を相手に射撃で応戦できる
- 片腕が不自由な状態で安室透と互角
- 萩原、松田、伊達の死亡を突き止める調査力
- 外国人なのに日本語が堪能
ざっと挙げた感じでも能力の高さが異常です。過去に警察学校組の4人を相手に逃走を成し遂げていますし、負傷した状態で墜落しつつあるヘリコプターの中で安室透と格闘戦が出来る身体能力は化け物と言えるでしょう。
はっきり言ってプラーミャは黒ずくめの組織(黒の組織)の連中より有能です。コナンの味方であれば一人で組織を相手に出来そうなレベルです。本作の登場だけで終わらせてしまうにはもったいない存在かも知れません。
各刑事、元刑事の個人的な見どころ
今作は各刑事、元刑事(毛利小五郎)それぞれに見どころがありました。
映画の序盤で、突然の爆発に巻き込まれ道路に放り出された灰原哀が車に轢かれそうになったところを毛利小五郎が身を挺して守ったのは結構カッコよかったですね。その後は怪我のせいで活躍の場がないのが残念ですが……。
高木刑事が松田刑事に扮して千葉刑事を救出する場面は中々スリリングでした。千葉刑事のミスがなければ最後まで騙し通せたかも知れません。高木刑事は終盤のピンチにも駆けつけてくれましたし、最後まで大活躍でしたね。
風見刑事は、映画の序盤で爆弾の爆発に巻き込まれて死にそうになったり、佐藤刑事にビンタされたり、踏んだり蹴ったりでいいところがなくて可愛そうでした。また「これでよく公安が務まるな」と降谷零に言われそうですね……。
降谷零(安室透)は首輪型爆弾を付けられた影響で周囲の安全のために地下シェルターで殆どの時間を過ごしていました。殺風景な地下なのにやたらと豪華な椅子に座っていたのが印象的でした。パイプ椅子とかじゃないのかよ!
笑えるシーンも豊富だった
今作は緊張感のあるシーンだけでなく、笑えるコメディシーンも多くありました。松田刑事が「この街、やっぱ普通じゃねぇな」みたいな事を言った時はメタ過ぎて笑いました。やっぱり治安悪いんですねコナンの住んでる街……。
怪我をした小五郎を担当している看護師が「麻酔が効かないなんて、耐性でもあるのかしら?」と言ったシーンも笑えるところでした。普段からコナンに麻酔針を打たれまくった弊害が出ていますね……。
映画恒例の阿笠博士のクイズ、今回はかなり端折られていて映画の観客が答えを考える暇もないまま正解が出てきたので博士の扱いの悪さに苦笑いしてしまいました。発明品の凄さと扱いの悪さのギャップで目眩が起きそうです。
映画終盤の渋谷のスクランブル交差点を埋めるレベルの巨大サッカーボールは真面目に考えると最早ギャグですね。でもまぁ、博士の発明品は映画で毎度ピンチを救っているのだから扱いを良くしてあげても良いのではと感じました。
高木刑事大活躍の『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』
以上が、映画『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』の感想・レビューです。渋谷が舞台なので、渋谷に行った気分になれる映画だと思います。高木刑事の結婚式と葬式が見れるので高木刑事好き(いるのか?)にもおすすめです。
映画のエンドロールにも表示されていましたが、ロシア語の監修はジェーニャさんが関わっているのでかなり本格的です。コナンと灰原、安室透がロシア語を解するのはカッコよく見えます。
映画のラストで確認できた次回作の情報は黒の組織とシェリー(灰原哀)がバチバチにやり合う感じの雰囲気の予告でした。黒の組織が出てくるのは2016年の『名探偵コナン 純黒の悪夢』以来なので、今から楽しみですね。