映画『名探偵コナン ゼロの執行人』 感想・レビュー
本日、名探偵コナンの映画でシリーズ22作目となる劇場版『名探偵コナン ゼロの執行人』を観てきました。
公開初日だったので、映画館は結構混んでいました。座席はネットで予約していたので、ほぼ真ん中に近い位置で快適に見ることが出来ました。
以下は、ネタバレを含んだ映画『名探偵コナン ゼロの執行人』の感想・レビューです。
『名探偵コナン ゼロの執行人』感想・レビュー
映画予告編にもあるコナンの台詞「正義のために人が死んでもいいのか!」という台詞。
ピアノソナタ「月光」殺人事件で犯人を推理で追い詰めて自殺させたコナン君が言うと、経験を踏まえた忠告なのか、おまいう(お前が言うな)なのか判断が難しいところですね……。
映画の3分の1は重めな刑事モノ
今作のゼロの執行人は、映画の話の中心となる人物が公安警察所属の安室さんなので、映画の3分の1くらいのパートは刑事ドラマを観ているような感覚でした。
警察関係、法律関係の用語が飛び交ったり、描写が多かったりするので結構シリアスです。推理パートまでは結構展開が早く情報も多いので息をつく暇もありませんでした。
警察中心と言っても、中心となるのは公安警察なので、高木刑事や佐藤刑事、目暮警部などの活躍はありません。その代わり、公安の風見裕也の仕事ぶりが堪能できます。
この映画はコナン、安室透、風見裕也の3者がカッコよく立ち回るシーンで構成されているため、この3キャラクタのどれかのファンなら観に行って損は無いと感じました。特に安室さん、モノレールに車で突っ込むなんてやり過ぎです!
最初からクライマックスのエンタメ映画
映画序盤にサミットが行われる大きな施設が爆破されるので、「おいおい、最初に爆発シーン持ってきて大丈夫か?」と終盤の盛り上がりが欠けてしまうことを危惧しましたが杞憂でした。
サミット会場爆破から始まり、現場にいたと思われる安室透を含めた公安警察の不穏な動き、毛利小五郎の逮捕、妃英理に近づいてきた弁護士の不審な動き、コナンと安室の盗聴合戦、安室透と風見裕也の意味深な会話シーンなど、色々と盛り沢山な内容です。
盛り込みすぎて、観客がついていけるのか不安でしたが、話についていけなかったとしても、クライマックスは衛星(カプセル)の落下の阻止というシンプルな話に落ち着くため、観た人の多くが楽しめる作りになっていました。
個人的に残念だったのは毛利小五郎の活躍が無かったところです。映画の予告映像に毛利小五郎の活躍を期待させるシーンがあったのに、本編ではそのシーン以上のことはありませんでした……。
テクノロジー満載だけどツッコミどころも満載
この映画ではIot家電によるテロや博士のドローンの活躍、スマートフォンを介した盗聴やパソコンの遠隔操作による身元の隠蔽など、テクノロジーが活用されたシーンが今までのコナン映画に比べ多かったです。
どれも割と最近身近になってきたテクノロジーなので、現代的な映画だなぁと感じました。
ただ、テクノロジーの使われ方がオーバーテクノロジーだったり、非現実的だった所が個人的には気になりました。
秒速数キロで飛来する衛星(カプセル)にドローンをぶつけるというのは、かなり無理があります。安室透が携帯電話で爆破のタイミングをコントロールしていましたが、まず上空では基地局の電波が届きません。衛星通信を利用したとしてもリアルタイムではないため、爆破を正確には行なえません。
少年探偵団の3人が、目視による観測で衛星にドローンをぶつけようとしてましたが、上空は風が強い上に、地上から遥か遠くに飛んでいるドローンでは映像の受信、操作の発信もリアルタイムに行えないため、当てるのは現代的に考えて不可能です。
その後のカプセルの再落下をコナンが爆発するサッカーボールを当てることで阻止しますが、大気圏突入の衝撃に耐え、終端速度で落下するカプセルが花火程度の爆発で軌道が変わるのは非現実的でしょう。なので、元々コナンが何もしなくてもカプセルはあの位置に落ちたと考えるのが妥当です。
まぁ、名探偵コナンはコンクリートの電柱を片手で破壊する蘭姉ちゃんがいる世界観なので、細かいことを言うのは野暮みたいなもんです。
コナンファンなら間違いなく楽しめる
映画『名探偵コナン ゼロの執行人』は細かな点を言うとツッコミどころはキリがない程たくさんありますが、コナン映画という括りで見ると非常に良く出来ています。
コナン、安室といった主要人物のかっこいい活躍シーンはたくさんありますし、推理パートもアクションパートもしっかりと盛り上がるように作られています。コナンファンは間違いなく楽しめるエンタメ作品に仕上がっているといえるでしょう。
この映画の視聴の前後に、テレビで放映されたアニメコナンの「ケーキが溶けた!」の回を見ておくと映画をより楽しめると思います。テレビでその回を見逃した方は見逃し配信しているサイトを探してみましょう。
次回作は怪盗キッドが出てくる作品のようなので楽しみですが、前の業火の向日葵が個人的に微妙だったので、若干不安を残しつつも期待しておきます。