なぜ Twitter はクライアントアプリ名を非表示にしたのか?

2012年8月28日Twitterビジネス,メディア,広告

著者: 今井 阿見

twitter-next-step-0004

本日( 2012/8/28 )、Web版のTwitterで仕様変更があり、クライアントアプリ名が表示されなくなりました。

Twitter、ウェブ版でもクライアントアプリ名を非表示に–モバイルに続き – CNET Japan

これにより、タイムラインで流れているツイートがどんなクライアントから送信されているかわからなくなりました。今回の仕様変更は「改悪だ!」と憤っているユーザも少なくないようです。

なので、「なぜ Twitter はクライアントアプリ名を非表示にしたのか?」気になったので、調べてまとめてみました。

Twitter のクライアントアプリ締め出し

結論から言うと、Twitterがクライアントアプリを締め出そうとしている理由は「Twitterの収益化」のためです。

今回のクライアントアプリ名を非表示にした理由も、Twitter公式のアプリ以外をあまり知られてほしくないからです。Twitter純正のアプリを使って欲しいわけですね。

Twitter、登録者数は5億超の見込みながらアクティブ利用者は1億7千万程度?! ツイートの75%はTwitter製クライアント発

Twitterの登録者数が5億近くになり、そろそろ収益化を考えないとTwitterそのものをサービスとして提供していくことが難しくなって来ました。

Twitterは収益を出すために、変わっていく必要性がありました。

そして、収益化のためにとった行動が、自社製ではないクライアントアプリの締め出しです。

Twitter、最新のAPI変更でクライアントアプリに足かせ

これらの制約が追加された理由は何か?どうやらTwitterは、自社のクライアントアプリと競合するサービスを本気でサポートする気がないらしい。

なぜ、Twitterはクライアントアプリの締め出しをし始めたのでしょうか。

それは、自社のクライアントアプリを広めるためです。そして、自社のクライアントアプリを広めることがTwitterの利益になるからです。

Twitterの戦略大転換 – 成功を支えてきた開発者を踏み台にして新たな拡大を目指す | SEO Japan

ツイッターの特徴は個人的な経験そのものであり、他のユーザーがどのように利用しているかを把握することは出来ない。ツイッターは、広告に関してもこの特徴を活かしており、すべてのユーザーを収益に変え、利益を得ているのだ。 そして、そのメソッドとしてツイッターが選んだのが、Cardsである。
Cards + ads = Cads
マイク・アイザック氏が、Cardsこそが収益化の取り組みの今後を左右するとツイッターが確信している理由を分かりやすく説明しているため、わざわざこの点を私が詳しく説明する必要があるとは思えない。しかし、あえて言うなら、Cardsを適切に表示する取り組みは、通常のタイムラインの広告に加え、ツイッターにとって大きな懸念と言えるだろう。ツイッターは、ツイッターのタイムラインでメディアを楽しむ手段としてプッシュしているが、現実として、これはあくまでも広告である。
―― Twitterの戦略大転換 – 成功を支えてきた開発者を踏み台にして新たな拡大を目指す | SEO Japanより

私は今日まで知らなかったのですが、Twitterは「Twitter Cards」というものを広めようとしています。

「Twitter Cards」というのはFacebookやGoogle+などでも使われているOGP(Open Graph protocol)のようなものです。

Twitterタイムライン上でのツイートの表示をコントロールできます。

twitter-next-step-0002

こんなかんじに(Twitter Cards 公式ヘルプより)

現在、この機能は利用可能なパートナーが限られているようです。

Twitterはこの「Twitter Cards」機能を広めていく上で、自分達でツイートの表示が100%コントロールできない、サードパーティ製のTwitterクライアントが邪魔になってきたわけですね。

要するに、ツイッターに見えるアプリをツイッターは嫌っているのだ。
逆にツイッターが求めているのは、ツイッターのデータを利用するアプリである。
―― Twitterの戦略大転換 – 成功を支えてきた開発者を踏み台にして新たな拡大を目指す | SEO Japanより

現在、ツイートとして表示されるタイムライン広告を提供する外部のクライアントは存在しないが、これは技術的な問題ではない。開発者は容易にツイッターの広告を自分のアプリのタイムラインに統合することが出来たのだ。実際に、私が話しを聞いた開発者の多くは、抑圧される代わりにこの規則があれば、喜んで従っていたと答えていた。
―― Twitterの戦略大転換 – 成功を支えてきた開発者を踏み台にして新たな拡大を目指す | SEO Japanより

Twitterは収益化のために、ツイートの表示(広告)を可能な限り自分たちでコントロールしたい。それを実現するには、自社製のクライアントをユーザに使ってもらって貰いたい。だから、サードパーティ製のTwitterクライアントに制限をかけたり、クライアントアプリ名を非表示にしたりしているんですね。

うーん、こんなことをするよりも、純正のアプリをサードパーティ製に負けないような魅力的なものにするほうが先だと思うんですけど。どうなんでしょうか?

Twitter をそんなに使ってないから分かりませんが、みんなが幸せになる方法を模索してほしいですね。

この記事を書いた人

著者(今井阿見)画像

今井阿見

当ブログ『PLUS1WORLD』の記事執筆、編集、校正、プログラミング(一部)、管理を行っているのは今井阿見(いまいあみ)という個人のブロガーです。ブログは趣味と実益を兼ねて運営しています。

今井阿見は30年近くゲームを遊んでいるベテランのゲーマー。学生時代にゲーム作りや映像制作を行っていたので、ゲームだけでなく、映画やアニメなどの映像作品、スマートフォンやパソコン、ガジェットなどの分野にも深く関心があります。

このブログ記事を気に入ったら著者(今井阿見)を応援して下さい! 励みになります!

著者Twitterアカウント 著者YouTube