貧困率を0にするために U2ボノが語る「ファクティビズム」
不景気で先進国の経済は伸び悩んでいますが、新興国の経済はこの十数年で目覚ましい発展を遂げました。しかし、世界にはまだまだ貧困が存在します。
かつて貧しかった国が経済成長したことで、世界の貧困率はどのように変化したのでしょうか。そして、これから貧困問題を解決するために必要なことは?
その答えを、25年間貧困問題と向き合ってきたアーティスト、U2のボノが語ります。
アイルランド出身の世界的ロックバンド、U2 ボノ のTEDトークです。
ボノ:貧困についての良いニュース
人々は3,000年以上昔から、人類は貧困や不平等を訴えてきています。21世紀に入ってその状況が「Facebook」によって大きく変わっているようです。
例として「アラブの春」が語られます。
これらの革命の背景にはソーシャルネットワークの役割も大きいとされる。衛星放送[注 1]やインターネットの普及で情報は瞬時に伝わり[注 2]、携帯電話、ツイッター、フェイスブックなどで抗議活動に関する呼びかけなどが行われた。
アラブの春 – Wikipedia
ソーシャル・ネットワークの出現によって、ピラミッド型の権力がひっくり返り始めているという事実です。ネットワークを通じて人が集まりやすくなり、情報の共有も早く簡単になりました。
世界を変える「ファクティビスト」
ボノは世界から貧困をなくすには「事実に基づいた情報発信」が重要であると語ります。そして、証拠に基づくアクティビスト「ファクティビスト」になろうと呼びかけます。
ボノがプレゼンで使用したデータで、800万人のAIDS(エイズ)患者が 抗レトロウイルス薬を入手できるようになり、サハラ以南のアフリカ8か国で マラリアの死亡率が75%下がり、世界の極貧率がこの20年で半分に減っていて、世界の貧困の状況が大きく改善していることが分かります。これはあまり知られていない事実です。
この調子でいけば、世界の極貧率があと20年で0になる! 素晴らしいですね! こういった事実の共有は世界に希望をもたらします。
ボノが語る「課題」
とはいうものの、まだ安心出来ないようです。現代における最大の病は 病気ではなくて 汚職や腐敗であるとボノは語ります。政府の腐敗が今後の貧困問題解決の大きなネックになります。
しかし、悲観する必要はありません。ウガンダに住む15万人の若い世代が、2Gの携帯電話とショート・メッセージを使い、政府の腐敗をあばき出しました。以前では考えられなかったことです。
テクノロジーによって悪いことを隠すのはどんどん難しくなっています。状況は良くなっています。
情報共有による透明性「ファクティビズム」は世界を良くする。みんなもこれに感染して、人類平等の旅へ参加しよう! とボノは呼びかけます。
プレゼンの最後にエジプトの反政府デモで拘束されたワエル・ゴニムの言葉が紹介されます。
「僕たちは勝利する なぜなら 政治のことを知らないから。僕たちは勝利する なぜなら政治家のように汚い手段を使わないから。僕たちは勝利する なぜなら政治的なアジェンダを持っていないから。僕たちは勝利する なぜなら僕たちが流す涙は心から流れ出たものだから。僕たちは勝利する なぜなら僕たちには夢があり その夢のためなら 喜んで立ち上がるから」
ファクティビズムが、世界に平等をもたらすのかも知れません。真実の共有が世界を変えるということですね。