クラウドゲーミングの時代がついに来るかと思ったが違った
皆さんはPS5を手に入れられましたか? 私はまだ手に入っていません。コロナ禍で次世代ゲーム機は入手困難な状況が続いており、ゲーミングPCの値段も上がっているため、気軽に最新のゲームプレイ環境が整えられない状態です。
2020年以降、新型コロナウイルス感染防止に伴いテレワークや外出自粛をする人が増えました。それに伴ってゲームの需要が大きく伸びました。にもかかわらず、それを遊ぶためのハードウェアの供給が足りていないのが現状です。
気軽に最新ハードを揃えられない状況でゲームの需要が高まっているならハード無しで遊べる「クラウドゲーミング」の時代がいよいよやってくるのかなと少し前まで私は思っていました。しかし、そうではありませんでした。
クラウドゲーミングの暗雲
2019年にGoogleが資本力を使って作り上げたクラウドゲーミングプラットフォームの「Stadia」。当時はIT業界大手がゲーム業界に殴り込みをかけてきたと話題になったのは記憶に新しいです。
その「Stadia」がゲームの開発を中止すると今月発表しました。「Stadia」自体も登場してから上手くいっているという話は全然聞きません。むしろ「Stadia」はネガティブな話題のほうが多いです。
「Stadia」以外のゲームストリーミングサービスは上手くいっているのかというと、家庭用ゲーム機やゲーム関連のストリーミング配信はコロナ禍で需要が増えているものの、クラウドゲーミング自体は伸び悩んでいます。
需要が高まると逆に使えなくなるクラウドゲーミング
実は私は最近やりたいゲームがあったので久しぶりにソニーのクラウドゲーミングサービスの「PlayStation Now」(PS Now)を遊んでいました。以前に利用経験がありますが、コロナ禍でPS Nowを触るのは初めてでした。
ゲームの需要が高まっている状況でクラウドゲーミングを遊んでみるとクラウドゲーミングが抱えている問題が見えてきました。
クラウドゲーミングは手元にゲーム機がないため、ゲームの映像をリアルタイムで動画として受け取りユーザー側に表示しています。そのため、少しでもネットが遅くなると映像をリアルタイムで受け取るのが難しくなります。
上の画像は映像が荒れた時の実際のゲームプレイ画面です。快適に遊ぶには厳しい映像です。PS Nowでは回線の状態が悪いとゲームの映像の画質も低下します。画質が低下するとゲームで何が起こってるのか分からなくなります。
PS Nowでは回線の悪い状態がしばらく続くと右上にメッセージが表示され、強制的にゲームが終了されます。私はプレイしているゲームの進行状況をセーブする暇もなくゲームを強制終了されました。これは複数回ありました。
その他にも操作した時のレスポンスが悪いなど、家庭用ゲーム機と比べて大きくストレスが溜まります。クラウドゲーミングはいつでもどこでも遊べることが売りですが、結局ネット回線が遅いとロクに遊べないということです。
クラウドゲーミングはサービスの性質上、使うとネット回線を圧迫します。クラウドゲーミングの利用者が増えれば増えるほどクラウドゲーミングを快適にプレイ出来る人間は減ることになります。
現在、テレワークや動画配信サービス、生放送の利用が増加しているためネット回線は逼迫しています。ゲームの需要が高まっていてもクラウドでゲームを快適に遊べる環境は整っていません。
クラウドゲーミングの時代はしばらく来ない
家庭用ゲーム機やゲーミングPCとは違い、クラウドゲーミングはユーザーがゲームプレイ環境をコントロールできません。ゲームをやりたい時にネットが混んでいればゲームはストリーミングで快適にプレイできません。
結局の所、ユーザーの利用するネット回線が24時間365日爆速で利用できる環境が整わないとクラウドゲーミングの普及なんて夢のまた夢です。しかし、5Gの普及も進んでいない現状では短期間での状況の改善は期待できません。
いつでもどこでも誰でも4K解像度の生放送を遅延なしで見れるほどのインターネット環境が整うには10年以上の時間がかかると私は見込んでいます。
そうなるとゲームはまた次のステージに進んでいるでしょうから、いつでもどこでもゲームしたいならクラウドゲーミングに期待するよりはNintendo Switchでも買ったほうが早いです。