PLUS1WORLD

ゲーム機の電源を入れるのが面倒くさい

video-game-essay-0001

自分が子供の頃は自分は大人になってもガツガツとTVゲームを遊んでいるんだろうなぁとぼんやり考えていたんですが、そうはなりませんでした。据え置きのTVゲーム機を最後に起動したのはいつか思い出せません。ゲームが嫌いになったわけではないのですが……。

ゲーム機に触れる代わりにスマートフォンやタブレット端末に触れる機会が増えていて、ゲームもゲーム専用機のものではなく、App Store からダウンロードしたものをチョロチョロ遊ぶようになりました。(ソーシャルゲームはやってないです)

ここ数年で、ゲームを作る側も遊ぶ側も大きく変わってきてるような気がします。私は携帯電話のゲームがここまで普及するということは数年前まで考えていませんでした。ここ数年のゲーム業界の様変わりぶりは結構驚きです。

本日、ゲームの将来を考える上で対照的な記事を2つ見つけました。1つはこれまでのゲーム専用機を売って来た任天堂側の視点の記事、もう1つは女性がいかに携帯電話のゲームを遊んでいるかが書かれている記事です。

広告

ゲーム専用機をいかに遊んでもらうか?

ゲーム機の電源を入れてもらうために。 – ほぼ日刊イトイ新聞

1つ目。任天堂の社長である岩田氏とマリオの生みの親である宮本氏とコピーライターの糸井重里さんの対談が掲載されたページです。

長い間、ゲーム専用機を作り続けてきた任天堂が今後どのような形でゲーム機にユーザを巻き込んでいく計画なのか対話形式でまとめられています。

岩田 電源さえ入ったら、
あとはぼくらの本領発揮なんですよ。

糸井 「電源さえ入ったら」(笑)。

一同 (笑)

岩田 いや、でもね、そんなに簡単に
電源入れてもらえないんですよ、
テレビゲーム機って。

糸井 おもしろいなぁ、こういう話は(笑)。

宮本 とくに、リビングの中心に据えられると、
「みんながいるときはやめてね」
っていう扱いを受けてしまいがちなんですね。
だから、Wii Uっていうのは、
あくまでも『マリオ』とかの、
ゲームをつくる延長上にあるんですけど、
『マリオ』で遊んでもらうためにも、
リビングでの振る舞い方を
変えていかないといけないんです。

糸井 うーーん、なるほど。

ゲーム機の電源を入れてもらうために。 – ほぼ日刊イトイ新聞より

テレビゲーム機のネックはやっぱり「とりあえず電源を付けてみよう」とならないところですね。テレビやラジオのように気軽に電源を入れて欲しいと任天堂側は思っている。でもそうはならない。

Wii Uはテレビがなくても、GamePadの画面を使ってゲームをプレイすることができます。
たとえば、リビングのテレビでゲームをプレイしているときに、家族がテレビ番組を見たくなっても、テレビを譲ってGamePadでそのまま続きをプレイすることができます。
本体の特長 | Wii U|Nintendo

Wii U では、Wii U GamePad を開発することによって、ゲーム機の電源をつけることに対するハードルはだいぶ下がりました。しかし、その気軽さはタブレット端末程ではありません。

任天堂が頭を悩ませる問題です。

携帯電話ゲームが掘り起こした新たな層

Girl wants a game 女の子とゲーム – UEI shi3zの日記

2つ目。女性がいかに携帯電話のゲームを遊んでいるかという記事。

この15年の間、ゲーム業界はライトユーザーを如何に取り込んで行くか、とりわけ女性にも受け入れられるゲームとはどんなものか、という可能性を追求し続けて来た。その挑戦は部分的には成功し、しかし全体的には失敗の連続だった。

ところが21世紀に入って、奇妙な現象が起きた。
携帯電話ゲームだ。

携帯電話ゲームだけはどういうわけか、女性人口がしばしば男性人口を上回るのである。

ゲーム専用機の電源を積極的に入れない、いわゆる「ライトユーザー層」は携帯電話のゲームを遊ぶようになったという話。ここ数年で、コンピュータの性能は上がり、ゲーム専用機でない携帯電話でも本格的なゲームを楽しむことが出来るようになってきました。

僕の世代だと、コンピュータゲームというのは専ら、男の子の遊びだった。
僕の田舎、新潟県長岡市の小さな書店では、コンピュータ雑誌やゲーム雑誌は「男性娯楽」というコーナーにいかがわしい本や自動車やバイクの本に混じってひっそりと売られていた。

クラスでゲームの話ができる女子なんて皆無だった。
僕は学年のほぼ全ての女子と会話したことがあるが、ゲームの話なんて一度もしたことがない。
仮に知っていたとしても、それはお兄さんや弟、ようするに男兄弟が遊ぶのを見ていたり、一緒に遊んだりして知っている、程度のものでしかない。

ところが時は流れ、いまは女性が当たり前のようにゲームを欲する時代なのだ。

考えてみれば、女性は携帯電話が好きですし、常に電源を入れた状態で持ち歩いています。携帯電話は女性のライフスタイルに組み込まれています。一方、今までのゲーム機は女性のライフスタイルには組み込まれていなかった。

女性が触るコンピュータとしての携帯電話。携帯電話のゲームは暇つぶしやコミュニケーションという形で女性のライフスタイルにうまく入っていけたのでしょう。

ゲーム機はライフスタイルの中にない

今、考えてみれば、テレビゲーム機というのは多くの人のライフスタイルにはないんですよね、あくまでも趣味です。携帯電話は必需品になっていますが。

多くの携帯電話の電源は常に入っています。テレビゲーム機の電源は必要なときにしか入りません。

ここでもう既に差が出来ている。ゲームを遊び始めるための気軽さが段違いになっている。ゲームを遊ぶなら専用機だけだった昔とは違います。だからライトユーザー層は携帯電話にとられる。

いくらゲーム専用機で「遊びやすいゲーム」を作っても、電源を入れてもらえなければ駄目。電源を入れるのがだるいと思われたら負けなんです。

あれほど好きだったファーストパーソンシューターも、今の僕は起動するのが億劫だ。
もちろんひとたび起動すれば、めちゃくちゃ興奮するような面白いことだらけだというのは知っている。
けれども、そこにたどり着く最初の一歩が面倒くさくなってしまった。
それはあまりにもその先の世界、その先の快感というものを知りすぎてしまったからなのかもしれない。
Girl wants a game 女の子とゲーム – UEI shi3zの日記より

任天堂が生き残るには電源を入れるのが面倒くさくないゲーム機を作る必要がありますかね。任天堂のことなので、次の一手は既に打っていると思いますが。