PS5の登場で更に「死にゲー」が流行るのではないか?
あなたは高難易度ゲームをプレイしますか? もうすぐPS5が発売されますが、PS5で発売予定のソフトのラインナップの中に高難易度で知られる「Demon’s Souls」(デモンズソウル)のリマスター版が含まれています。
私は高難易度ゲームとして知られるDARK SOULS(ダークソウル)のリマスター版を2019年末に初めてプレイしました。クリアするのには本当に苦労しましたが、遊んでみて病みつきになる魅力が確かにあると感じました。
このような高難易度ゲームは発端となったソウルシリーズに因んで「ソウルライク」と呼ばれています。市場には既に沢山のソウルライクゲームが存在しますが、PS5の発売後は今まで以上に高難易度ゲームが増えるかも知れません。
PS5発売後に高難易度ゲームが増えると予想する理由
高難易度ゲーム(死にゲー)のストレス要因
高難易度ゲームは「ソウルライク」以外にも「死にゲー」という呼び名があります。難易度が高くて何度も死ぬことからその様に呼ばれるようになりました。
ゲームにおいて『死ぬ』ことは基本ストレスです。繰り返し死ぬゲームはプレイヤーのストレスを増幅させます。その代わり、死なずに前に進めたときは大きな達成感を与えてくれます。
ゲームでは『死』以外にもストレスが溜まる要素があります。それはゲームのロード時間です。ロードが長いゲームは死にゲーでなくてもストレスが溜まります。
高難易度のダークソウルは死ぬたびにロードが発生するので、それが大きなストレスとなりました。ロード時間は高難易度ゲームでなくてもストレスになりますが、死にゲーは何度も死ぬため死亡時のロードの苦痛が大きくなります。
逆に言えばゲームで死んでも死んだ後にすぐ再開できればストレスや心理的負担が軽くなります。
例えば、2Dの死にゲーは死んだ後の再開までにかかる時間が3Dの死にゲーと比べて短いです。そのため、すぐ次に再挑戦しようという気持ちが生まれやすくなっています。
ロード時間短縮によるプレイフィールの変化
PS5はSSDによる高速ローディングが一つの特徴として宣伝されています。ロード時間短縮はゲームのプレイフィール(プレイ感覚)を変化させます。
例えば「死にゲー」の死んだ後のロード時間が短くなることでロードによる無駄なストレスが減ることになります。既にロード時間短縮で「死にゲーの心理的負荷が軽減される」ことをPS5の開発者がインタビューで言及しています。
一部のデベロッパーはロード時間の短縮によってもたらされる意外な利点についても言及している。『Demon’s Souls』のギャビン・ムーアは、ロード時間が短くなることでゲーム内で死んでしまったことに対する心理的痛手が(若干)緩和されると話し、『HITMAN 3』のマティアス・エングストロームは、頻繁にセーブとロードができるため、「プレイヤーが試行錯誤するのを今までにないほど後押ししてくれる」と述べている。
これまでの死にゲーは「死んだこと」+「死で発生したロード時間」が主なストレスの発生要因でした。ロード時間が減ることで死にゲーをプレイし続ける心理的負荷が小さくなります。
ロードが短くなることで死にゲーで死んだ後に憂鬱にならずに再挑戦しようという気持ちが生まれやすくなることでしょう。
3Dオーディオによる不意の死の回避
また、3Dの死にゲーは2Dの死にゲーと比べて見えない物陰から攻撃されて死ぬことやどこから飛んできたのか分からない矢に当たって死ぬなどの不意の死が起こりやすいという特徴がありました。
3Dのゲームは仕様上カメラで映る範囲のものしか見えませんので、見えない位置からの不意の攻撃は避けることが難しくなります。
こういった問題が、PS5の「”Tempest” 3Dオーディオ 技術」によって緩和されるかも知れません。PS5の3Dオーディオによって視覚情報だけでなく聴覚情報によって敵の位置が立体的に察知しやすくなるからです。
より正確でリアルな音響をプレイヤーに届け、ゲームの中にいるような臨場感をこれまでよりはるかに深く味わっていただけるのが3Dオーディオのすごいところです……。『Returnal(仮称)』のように、垂直方向の動きもたくさんあるテンポの速いアクションゲームでは、プレイヤーが周囲の状況を把握しやすくなり、激しい戦闘の最中でも、近くにいる敵や攻撃が飛んできた方向を直感的に判断しやすくなるんです。
PS5™の「超高速SSD」と「“Tempest” 3Dオーディオ技術」が実現する未来のゲーム体験とは? PS5™ゲーム開発者が語る – PlayStation.Blog
PS5の3Dオーディオは前後左右だけでなく上下も含んだ360度の方向で音を鳴らせるため、3Dのゲームでプレイヤーはこれまで以上に周囲の状況を把握しやすくなります。これにより3D死にゲーの不意の死を減らせるかも知れません。
3Dオーディオは死にゲーの臨場感と没入感を高めつつプレイのしやすさを向上させる可能性があります。不意の死の多さを理由に死にゲーを遠ざけていたゲーマーが再び死にゲーをプレイし始めるかも知れません。
PS5で「死にゲー」の時代が到来するかも
PS5のSSDと3Dオーディオの機能によって「死にゲー」がこれまでより大幅に遊びやすくなる可能性があります。遊びやすさが向上すれば人気も高まり、これまで以上に「死にゲー」が流行する可能性が出てきます。
2019年の「The Game Award」で「SEKIRO: SHADOWS DIE TWICE」がゲーム・オブ・ザ・イヤーを獲得したように高難易度ゲームは市場で受け入れられるだけでなく存在を高く評価される時代になりました。
PS4では既に多くの高難易度ゲームが発売されていますが、PS5では更に死にゲーが増える可能性があります。死にゲーが受け入れられる土壌を作ったフロム・ソフトウェアの完全新作『ELDEN RING』もありますし楽しみですね。
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