建築界のノーベル賞「プリツカー賞」を受賞した坂茂さんのTEDトーク
今週、日本の建築家 坂茂(ばんしげる)さんが建築界のノーベル賞にあたる「プリツカー賞」を受賞したことが話題になりました。
「建築のノーベル賞」プリツカー賞に坂茂氏 | TABlog | Tokyo Art Beat
人の役に立つ建築物を造りたい! それが「プリツカー賞」を受賞した坂茂さんの思いです。
彼の建築家としてのポリシーは TEDxTokyo のプレゼン にて語られています。この動画を見れば、なぜ坂茂さんが受賞したのか理由がはっきりと分かります。
坂茂『紙で出来た避難所』
紙で建築物を作る理由
坂茂さんは、世の中がエコロジーや環境問題について騒ぎ始める前より、紙管を建物の構造体として使うための試験を行っていました。そして、1990年には紙で作られた仮設建造物を建てています。
坂茂さんが紙管で建てた建築物は後に再利用されています。2000年に ドイツで行われた万国博覧会のパビリオンは紙管で作られた後にリサイクルされました。
坂さんは設計のゴールは建物が完成した時ではなく、建物が解体された時だと主張しています。
環境に優しい建材としての「紙」。「紙管」による建築はエコなのです。
建材で建物の価値は決まらない
紙管はコストが安く丈夫で安全。防水加工が簡単で、耐火処理も施せます。
紙で作られたからといって、人々に愛されれば一時的な建物になるとは限りません。コンクリートで作られていても、金儲けのために建てられた建築物なら、一時的なものになってしまう。坂さんはそう語ります。
建築家として政府や特権階級のために建築物をつくるのではなく、実際に困っている人たちのために役に立つ建築物を造りたい!
そういった思いがあるからこそ、坂茂さんは世界中の被災地で役に立つ建造物を作り続けています。
素材なんて関係ない! 実際に役に立つ仮設住宅を作れば、紙やコンテナで作られたものであっても、人に愛され恒久的なものになりうるということですね!