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アドラー心理学の限界を感じた『幸せになる勇気』感想・レビュー

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書籍の『幸せになる勇気』を読んでみました。前作の「嫌われる勇気」という本の続編となる作品です。

前作の「嫌われる勇気」は人間関係に悩む人に新しい視点を与える良書だったので当ブログでも記事で紹介しています。

「嫌われる勇気」では心理学者のアドラーの考え方を踏まえ、読者に新しい生き方(ライフスタイル)を提唱していました。

「嫌われる勇気」で書かれたアドラーの理論を、いざ実践するにはどうしたらいいのかが書かれているのが、今回紹介する『幸せになる勇気』となります。

『幸せになる勇気』感想・レビュー

『幸せになる勇気』はアドラー心理学の『実践編』とも言える書籍でした。

本書で提唱されているアドラーの理論は完璧でした。

「幸せ」になる方法論として書いてあることは間違っていないなと感じました。本書通りの生き方ができれば幸福になれるでしょう。

しかし、この本に書かれた理論自体は完璧だけど『前提』が間違っているのではないかと思いました。その理由を順を追って説明します。

貢献感から幸せ・喜びを見出す

本書のタイトルにもある「幸せ」ですが、この「幸せ」を感じるために私たちはどうしたらいいのでしょうか。

この本に書かれたその答えは「共同体に対する貢献感」とありました。

アドラーは言います。われわれはみな、「わたしは誰かの役に立っている」と思えたときにだけ、自らの価値を実感することができるのだと。

―― 幸せになる勇気 第五部 愛する人生を選べ より

「幸福とは貢献感である」とも書いてありました。

つまり「誰かの役に立っているという感覚が幸せに繋がる」ということですね。この点については異論はありませんでした。

しかし、私は誰もがこの「貢献感」で幸せになれるとは思えませんでした。

なぜ私は本書のアドラーの考え方で人が「幸福」にたどり着く話に限界を感じたのか?

その理由は、現実ではこの貢献が難しくなっていると思うからです。

生産性の上がった世界での貢献感

本書には『すべての仕事は「共同体の誰かがやらねばならないこと」であり、われわれはそれを分担しているだけなのです。』と書いてあります。(第四部「いかなる職業にも貴賎はない」より)

この書籍での考え方の中心となっているアルフレッド・アドラーが生きていた時代は第一次世界大戦のあった頃です。

アドラーが死没したのが1937年5月28日であり、第二次大戦時には存命していません。

アドラーが生きていた時代とは異なり、現在は労働の生産性が大きく向上しています。この点はアドラーは想定していなかった事だと思います。

労働の生産性が向上した現代では、労働者は人はどんどん要らなくなっています。それによって労働による『貢献の機会』は減っていってます。

これからも労働の機械化、自動化が進み、より多くの人が仕事からあぶれる未来も予測されています。

人間が行う仕事の約半分が機械に奪われる—そんな衝撃的な予測をするのは、英オックスフォード大学でAI(人工知能)などの研究を行うマイケル・A・オズボーン准教授である。

そのオズボーン氏が、同大学のカール・ベネディクト・フライ研究員とともに著した『雇用の未来—コンピューター化によって仕事は失われるのか』という論文が、いま世界中で話題となっている。

―― オックスフォード大学が認定 あと10年で「消える職業」「なくなる仕事」 より

多くの仕事が機械に置き換わる。

タクシーやバスの運転は自動化され、電話オペレーターもAI(人工知能)がこなす時代がやってくるでしょう。