発達障害者が障害者手帳を取得した際に起こるデメリット2つ
医師に発達障害の可能性ありと診断されて以降、私はASD、ADHDなどの発達障害者が集まる場所によく足を運ぶようになりました。
そういったところにいる人と交流する中で、発達障害者の中には就職などのサポートを受けるため「障害者手帳」を取得している人も珍しくない事を知りました。
自分は今は障害者手帳を持っていませんが、今後のために障害者手帳を申請して発行したほうが良いのかどうかの判断は付きませんでした。
最近たまたま発達障害者の就労支援を行っている人の話を聞く機会がありました。その人の話によると発達障害者が「障害者手帳」を取得すると、メリットだけでなくデメリットもあるということでした。
発達障害者が障害者手帳を取得するデメリット
発達障害者が障害者手帳を取得して起こりうるデメリットは大きく分けて2つあるという話でした。
デメリット1:障害者枠での雇用の限界
障害者手帳を持っていれば、障害者枠での求人に応募できるので就職活動時の選択の幅が広がります。
通常の雇用に加え、障害者雇用枠での求人に応募できるので選択肢が増えます。
障害者枠での雇用の場合、雇う側も障害をあらかじめ知った上で雇うことになるため、得意分野・不得意分野のある発達障害者にとっては就職後の職場での心理的負担は少なくなるはずです。
しかし、障害者枠での雇用は良いことばかりではありません。障害者枠で就職してしまうと出世に限界が生じる場合もあるとのことでした。
発達障害者だけどバリバリ働いてお金を稼ぎたいと思っているなら「障害者手帳」を使った障害者枠での就職はリスクになります。
発達障害者が障害者枠で雇用された際に出世に限界が生じるかどうかは、最終的には企業によるそうです。
ただ単に働くだけでなく、会社の中でも実力を認められたいと思っている場合は「障害者手帳」に頼らず就職したほうが無難かもしれません。
現時点(2019年)で発達障害者向け障害者枠の求人は8割が事務職だと言われています。事務の仕事が自分には合わない、選びたくないと思っている方は障害者手帳を持っていても就職したくなる企業の幅は広がりません。
デメリット2:結婚や交際で相手にバレる可能性
障害者手帳を持っていれば、さまざまな福祉サービスを受けられます。「障害者控除」(税金)や「公共料金の割引サービス」など使えば生きていく上での金銭的負担も軽くなります。
しかし、そういった制度を活用した影響で、障害者手帳を持っていることを周りに言ってなくても、周囲に「障害者手帳を持っていること」がバレてしまう可能性があります。
結婚するつもりだった男女が相手の親に自分が「障害者手帳」を持っていることを知られたばかりに、保守的な親によって結婚が破断になったケースも実際にあったそうです。
自分の子供を発達障害者と結婚させたくないという親はいるということですね。
こういったことを無くしていくには、世の中の発達障害者に対する悪いイメージを少しずつ変えていくしかありません。
障害者手帳のメリット・デメリットを知っておく
障害者手帳には多くのメリットがありますが、デメリットもゼロではないということを発達障害者の就労支援を行っている人の話を聞いて思い知らされました。
今年は中央省庁で障害者雇用者数の水増しをしていた問題が明るみになり、発達障害者に限らず「障害者」そのものが国から酷い扱いを受けていることが分かってきています。
障害者手帳を申請するなら、メリットもデメリットも社会情勢も加味した上ですべてを納得した上で後悔がないように手続きしたほうが良さそうですね。