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エンタメとしては良作 映画『君の名は。』感想・レビュー

本日、映画館で大ヒット上映中のアニメ映画『君の名は。』を鑑賞してきました。

映画は大ヒット上映中だけど、公開から1か月経ってるし、平日の朝なら空いているのではと思い映画館に行ってみましたが、思ってたよりも人が入りました。うーん凄い人気だ。

以下、ネタバレありの映画『君の名は。』感想とレビューです。

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映画『君の名は。』感想とレビュー

映画『君の名は。』公式サイト

映画を落ち着いて見たい人はもう少し待て

本日は2016年9月30日の月末なので、明日の映画の日(1日)に見に行く人たちが集中すると考えていました。

曜日も平日ですし、朝9時台の上映であれば落ち着いて映画が見れると思い、当日の上映1時間前にネットで座席予約しました。その時は狙い通り座席は結構空いていました。

しかし、さすがはデートムービーと呼ばれる映画。当日に劇場で並んでチケットを買う層が多く、席の半数は映画が始まるまでには埋まってしまいました。想定が甘かったです。

話し声も他の映画を観る時より聞こえてくるし、映画の途中で入場してくる人もいたため、これだからミーハーは…、と思いました。

ミーハーがいない落ち着いた環境で映画を見たい人はもう少し待ったほうが良いでしょう。

エンタメ映画として良作

私は新海誠監督の映画(作品)は、『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』『言の葉の庭』『君の名は。』の4つしか見ていませんが、その中でも『君の名は。』はダントツに楽しめました。

といいますか、『ほしのこえ』『秒速5センチメートル』に関しては、あまりにつまらなすぎて内容を覚えていないレベルなので、個人的には比較対象にもなりません。

『言の葉の庭』がそこそこ楽しめる映画だったので、その映画を見てなければ『君の名は。』を見に行かなかったと思います。

新海誠映画はクセと語りが強烈なイメージがありましたが、今作の『君の名は。』ではそれをだいぶ薄めてありました。まさに漂白された新海誠映画といった印象です。

アニメーションもしっかり作ってありますし、映画のシナリオも一大スペクタクルが起こる展開となっているので、普通に楽しめるエンタメ映画でした。

シナリオに不自然な点が多数ある

映画自体は楽しめたんですが、細かい所が気になりました。脚本の所々にでかい穴が多数あります。とにかくシナリオがご都合主義です。

まず、映画の根幹に関わるところが一番不自然です。

ヒロインの三葉が、東京にわざわざ出向き、初めて実物の瀧君に会いに行くシーン。

電車の中でまったく知らない少女(三葉)に、いきなり名前呼びで声をかけられる瀧君。この時、三葉は瀧君のことを知っていても、瀧君は三葉のことを知りません。そんな不審人物にいきなり声をかけられ、その後で相手の名前を聞き返すでしょうか?

しかもその後で、電車の人混み中で瀧君は三葉から『組紐』を投げつけられます。いきなり名前を呼びかけてきた不審人物が投げつけてきた紐を普通キャッチするでしょうか?

それだけでなく瀧君はその後、名前をいきなり呼んできた不審人物が投げつけてきた紐を『3年間も』大事に持っていた事になります。3年ですよ? 普通の人なら不気味なので捨てます。

正直言って、純粋に瀧君が気持ち悪いです。

映画の最重要な根幹部分である『組紐の受け渡しシーン』が不自然の塊です。

それ以外にも、おかしい点が多数あります。

まず、三葉と瀧君がいつお互いを好きになったのかが分かりません。

分かりませんというか、描かれていません。三葉と瀧君が夢の中でお互いの体が入れ替わる日常が美しい映像と音楽でダイジェストのように流された後、突然何の前触れもきっかけも理由もなくお互い相思相愛になっています。

瀧君と瀧君のバイト先の先輩(奥寺)が仲良くなる過程はしっかりと描かれているのにも関わらずです。

主人公もヒロインも、わけも分からずいきなり涙を流し始めますから、この恋は『運命』だったと解釈するしかありません。それでもかなりおかしいですが。

次には、瀧君と三葉の入れ替わりの日常がなくなり、瀧君が三葉を探し始めるシーンも不自然でした。

あれだけ、夢で見てきた三葉の住んでいた街の風景を正確に描けるのに、三葉の顔をどうして描かなかったのか?

人探しをするなら人物画は重要です。三葉の顔は夢の中でも鏡で散々見ているはずです。

三葉の顔を覚えてなくても、毎日夢で通っていた学校やその学校の制服を描けば重要な手がかりになるはずです。学校名も忘れてしまったのでしょうか。記憶の失い方がご都合主義すぎます。

他にも、二人がお互いに相手を「忘れちゃ駄目な人」と認識しているのに、その忘れようとしないための意識と努力が薄弱なことも気になりました。

三葉はまだ分かるんですよ。彗星の落下で家が全壊して瀧君や自分が色々書いていたノートなどが消失または紛失してしまった、ということであれば納得できるんです。

しかし、瀧君が分からない。三葉との記録はデータが消失したスマホ上でしか取っていない。紙には覚えている風景しか描いていない。なんじゃこりゃ。

「お前は誰だ!」「君の名前は!」とかいう台詞が繰り返し出てくるたびに、「名前を覚えてるうちに紙に書いておけボケ!」としか思いませんでした。

スマホのデータが不自然に消失するというオカルト現象起こってるのに、自分の記憶力を過度に信じすぎでしょ……。

こんな感じで、シナリオには突っ込みどころが多いです。

不自然なのはシナリオだけではありません。サラッと流されるシーンですら不自然なものが多くあります。

分かりやすいのが自分の顔に「バカ」だの「あほ」だの書くシーン。自分の顔にあれだけ正確に文字を書ける人はなかなかいません。

鏡を見て書けば文字が鏡文字になるので、相当な練習を行わなければ出来ない芸当です。

他にも、三葉が瀧君に会いに飛騨にある地方(糸守町)から新宿行くシーンもおかしいです。

劇中で糸守町は2時間に1本しか電車がない田舎だということをキャラクタたちが言っていますし、Googleマップで確認しても『飛騨市→新宿』は片道5時間はかかる距離です。

夕方に電車内の瀧君に三葉が遭遇した後、糸守町に帰宅するのは困難です。その日のうちに糸守町に帰り、何事もなくおばあちゃんに髪を切ってもらうなんて芸当が出来るんでしょうか?

このような矛盾していたり、不自然なシーンは枚挙に暇がありません。全部書くと記事が長くなるので、割愛させていただきます。

このように映画を1回見ただけでおかしな点が大量に見つかったので、2回見ることがあれば更に見つけられるでしょう。

ご都合主義だが面白い娯楽映画『君の名は。』

ここまで『君の名は。』のシナリオなどをボロっクソに書いてきましたが、私は別に新海誠監督のアンチではありません。

むしろ、『君の名は。』は興行収入100億突破も納得の娯楽映画でした。普通に面白かったです。次回作にも期待しています。

ただ単純に、監督の脚本のレベルがこのままで、言葉や美しい映像、音楽で客をごまかす技術だけが向上してほしくないだけです。

まぁ、心配しなくても新海誠監督が本物であれば『君の名は。』のヒットをきっかけに、よりレベルの高い作品を作ってくれるでしょう。

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小説 君の名は。 (角川文庫)