映画『シン・ゴジラ』感想・レビュー
本日から公開の映画『シン・ゴジラ』をIMAXシアターで観てきました。
題材がゴジラ(特撮・怪獣映画)というだけに、見に来ている人も年配者が多いように感じました。平日の朝ですが座席の3分の2以上は埋まっていました。
以下、ネタバレありの映画『シン・ゴジラ』感想とレビューです。
映画『シン・ゴジラ』感想・レビュー
物量(情報量)が凄すぎて評価できない…。
これまで、このブログで様々な映画の感想と評価を書いてきました。
しかし、今回は無理でした。私にはこの作品を評価できません。
今回見た『シン・ゴジラ』を正しく評価するには、それなりの知識が必要になるからです。
この映画を正しく評価するには『過去のゴジラ作品に関する知識』『ミリタリーの知識』『民間防衛に関する知識』『政府や関係省庁の関係や権限に対する知識』『法律関係の知識』などが必要になります。
私はこの映画を評価出来るほど、それらの知識を十分に持っていません。
逆に、これらの知識があれば、普通の人の倍は楽しめる映画だと思います。
とにかく『シン・ゴジラ』は情報の洪水のような映画で、各登場人物の行動を吟味する間もなく展開が進んでいくため、スクリーン上で次々起こる出来事に、ただただ圧倒されるしかありませんでした。
ということで、この映画を私は評価することが出来ません。『評価不可能』というのが私の評価です。点数をつけるようなレビューは不可能です。
なので、以下はただの『シン・ゴジラ』を観た感想となります。
『シン・ゴジラ』という名前は適切か?
映画が『シン・ゴジラ』というタイトルなので、『新・ゴジラ』という新しく作られたゴジラ映画なのではないかという想像をさせますが、実際は少し違いました。
『シン・ゴジラ』はゴジラとゴジラと人間との戦闘シーンを映画から除いてしまえば、日本政府と自衛隊が大規模災害に対処したという記録映画のように見えます。
実際に私には『シン・ゴジラ』が「東日本大震災に対処した日本政府と自衛隊のドキュメンタリー映画」のように見えました。
ゴジラが上陸する前のシーンで船や瓦礫が押し流されるシーンなんて『3.11』そのまんまでした。
よって『シン・ゴジラ』という名前よりも『ゴジラで学ぶ東京防災』という映画タイトルにしたほうがこの映画の内容を表しているように思います。
あ、もしかしたら『シン・ゴジラ』という名前は『震・ゴジラ』という意味かもしれませんね。
日本政府と自衛隊がカッコいい
映画を見ながら、日本の政治家と官僚ってこんなに有能なの!? と少し感動してしまいました。
上層部と現場の指揮系統がきちんとトップダウンで機能していて素晴らしかったです。
ゴジラへの攻撃許可を決定する総理はかっこよかったですね。使えない御用学者とかが出てくるので政府関係者が余計有能に見えました。ま、映画の中の話なんですけどね……。
政府関係者だけでなくゴジラに冷静に粛々と対処する自衛隊にも痺れました。映画に登場する自衛隊の幕僚長には凄みを感じました。
まさに『シン・ゴジラ』は 日本政府&官僚かっけぇ! 自衛隊かっけぇ! という感じの映画でした。
映画「インデペンデンス・デイ」をアメリカ万歳映画とするならば、『シン・ゴジラ』は日本万歳映画と言えるかもしれません。
映画の中で政府関係者が「彼の国は……」とアメリカの愚痴を言いまくってたのは笑えました。
ゴジラ強すぎ&倒し方が意外
『シン・ゴジラ』に登場するゴジラは驚きの連続でした。
ゴジラは映画冒頭で海から陸へと移動するのですが、初上陸した時は「あれ? 見た目も弱そうだし、こいつゴジラじゃなくね?」と、その弱そうな姿に本当にゴジラなのか疑うほどでした。
しかし、時間が経つごとに見た目と形態が代わって「第3形態」になる頃には「自衛隊の防衛装備がほぼ効果ないとか、強すぎだろ!」と思うくらいに成長してビビりました。
ゴジラの口から放射能熱線が吐き出されるのは予想していましたが、背中や尻尾からも放出される複数のビームがあまりにも強力すぎて、「これは勝てないのでは?」と絶望しました。
『シン・ゴジラ』のゴジラ、強すぎです……。
しかし、人間側も負けていませんでした。
自衛隊の防衛装備やアメリカの兵器などが登場するのは映画の予告編から想像できましたが、まさかゴジラを倒すために新幹線や在来線が使用されるのは予想していませんでした。
『シン・ゴジラ』で活躍する鉄道車両に鉄道クラスタ大喜びなのではないでしょうか。ゴジラに電車がぶつかっていくシーンは圧巻でしたね。
神風新幹線&特攻在来線とか贅沢すぎです。
ネットじゃ「無人在来線爆弾」とも呼ばれてるみたいですね。
その他にも、ビルを爆破して倒し、ゴジラにぶつけるという攻撃がありました。巨大高層ビルが立ち並ぶ東京ならではの攻撃方法です。
ゴジラを倒すためなら使えるものは何でも使うというスタンス、悪くありません。日本の力を総動員してる感じが素晴らしかったです。
『シン・ゴジラ』は凄いぞ!
『シン・ゴジラ』は、私の中にこの映画を正確に評価するためのモノサシがないため、評価はできません。
ですが、私はこの映画を見てる最中に映画の持つ熱量に圧倒されて、気がつけば涙を流していました。『シン・ゴジラ』はそんな映画です。
『シン・ゴジラ』は、2014年に作られたハリウッド版ゴジラに対する日本映画界の回答として考えると感慨深いものがあります。
邦画にありがちな、安易な「お涙ちょうだい」や「人々の絆」とかの描写が無かったのが個人的には好印象でした。
次回作があってもおかしくないような終わり方だったので、人気があれば続編が作られるかもしれません。
これだけの作品をまとめ上げた庵野監督とスタッフ、キャストに感謝ですね。