理不尽だが遊ぶ価値はあるホラーゲーム「SIREN」感想・レビュー

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著者: 今井 阿見

2024年10月にリマスターが配信された「SIREN」

皆さん、夏楽しんでますか? 私は苦しんでます! 日本各地で連日40度を超える暑さが続いており、夏休みの時期なのに、どこかに出かけるどころか、日用品の買い物にスーパーに行くことすら億劫に感じる日々を過ごしています。

こんな時は、家に引きこもってゲームをするに限りますね。暑い夏こそホラーゲームです。ちょうど昨年の2024年10月に名作と名高い「SIREN」というゲームがリマスターされたので、今年の夏はこのゲームを遊ぶことにしました。

私は「SIREN」を先月から遊び始めて、今月ようやくクリアできました。今まで遊んできたホラーゲームとは異なる体験が出来るゲームでした。なので、ホラーゲーム「SIREN」の感想・レビューを忘れる前に書き残しておきます。

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理不尽だが遊ぶ価値はあるホラーゲーム「SIREN」

PS4やPS5向けに「SIREN」のリマスター版が配信されました

「SIREN」は元々、2003年に発売されたPS2向けホラーゲームです。名作と名高い作品でしたが、発売から20年以上経ったのもあり、近年は遊べる環境に乏しいゲームとなっていました。

そんな中、2024年10月15日にPS4,PS5向けにアップレンダリングや巻き戻し、クイックセーブ機能などが追加された「SIREN」のリマスター版が配信されました。現在PSストアで1,100円で販売されています。

私は前々から、このゲームを遊んでみたいと思っていたので、このリマスターは渡りに船でした。ということで、今年の夏、この「SIREN」リマスター版をPS5で遊び、先日クリアしました。以下にゲームの感想を残しておきます。

「SIREN」は理不尽すぎてホラーなのに怖くない!

『SIREN』(サイレン)というゲームを最初から最後まで遊んで一番感じたのが、このゲームのジャンルはホラーのはずなのに全然怖くないという変な感覚でした。

正確に言えば怖さはあるんですが、「怖さ」よりもゲームの理不尽さから生じる「怒り」のほうが感情として上回り、結果的にホラーゲームなのに怖くないという変な体験になりました。

SIRENというゲームを遊んで最後まで感じたのは操作性の悪さです。プレイし始めの頃は、操作がおぼつかないけどいずれ慣れるかなと思っていましたが、上達はしても操作性の悪さに慣れることはありませんでした。

操作性が悪いだけでなく、動きもモッサリしているため、ゲーム中盤の難所や終盤のラスボスと戦っている時にすら思ったように動かない自キャラに苛立ちを感じていました。

このゲーム、操作性が悪いだけでなく、敵がすぐに復活します。SIRENは各ステージで屍人という敵キャラと戦わなくてはならないのですが、攻略のためウロウロしていると、復活した敵キャラとまた戦う羽目になります。

なので、基本的に敵との遭遇を避けたいゲームなのですが、暗い上に視界が悪いステージが多いです。さらに、敵に見つかった時や近くにアイテムが落ちている時、急に視界が変わったりするので方向も見失いやすいです。

その上、マップを見ても自分の位置が分かりませんし、各ステージのクリア条件も分かりにくいものがあるため、何をしたらいいのか分からず、無駄にウロウロしてしまう時間が多くなるゲームとなっています。

そんなゲームなので、ステージを無駄に動き回ることになります。動き回っていると敵と遭遇して操作性の悪い状態で何度も戦う羽目になります。戦って倒してもしばらくすると復活するので倒し甲斐もありません。

私はゲームを自分で考えて選択して遊ぶのが好きなので、基本的にゲームの攻略情報を見ないのですが、このゲーム、クリアするために必要な情報がゲーム内に少なすぎます。具体的な例を2つ紹介しましょう。

SIRENに出てくるアイテム「一斗缶」のアイテム説明欄

1つ目の例として、あるステージのクリア条件を満たすために必要になる「一斗缶」というアイテムがあります。このアイテムの説明欄には「運搬に使用する」と書いてあります。

なので、私はこのアイテムに何かを入れるのだろうなと思い、30分ほどステージをウロチョロしましたが、一斗缶に入れるものを見つけることが出来ませんでした。

全然クリアするための条件が分からないので、仕方なく攻略情報を見ましたが、この一斗缶というアイテムは特定の場所で”踏み台”として使うことでステージのクリア条件を満たせるというものでした。分かるかァ!と叫びました。

「校内放送」を「火のみ櫓上」で聞く。

2つ目の例ですが、あるステージのクリア条件の『「校内放送」を「火のみ櫓上」で聞く。』というもの。これは条件が具体的で分かりやすいなと思いましたが、簡単にクリアできませんでした。

ステージ開始から視界の悪い中で敵を退けつつ、なんとか「火のみ櫓上」に到達しましたが、なぜかクリアできませんでした。なんと、校内放送を聞くためには、ステージ開始から5分以内に火のみ櫓上に辿り着く必要があるそうです。

ゲーム内には制限時間は表示されませんし、5分以内に到達しろという条件も提示されないので、これも仕方なく攻略情報を見たあとに、分かるかァ!と叫びました。

この2例だけでなく、SIRENには攻略情報なしではクリアが困難なものが多いため、攻略情報なしゲームを遊びたい人にはあまりおすすめ出来るゲームではありません。

まとめると「SIREN」は、操作性が悪く、敵もすぐに復活し、視界が悪い割には、方向を見失いやすく、マップで自分の位置を把握しづらく、クリア条件も分かりづらい割には、ゲーム内のヒントも少ない。

こういった様々な理不尽すぎる要素があるので、ストレスがマッハで溜まります。なので、ホラーゲームなのに怖くない。怖さよりも理不尽さに対する感情が勝ってしまう。

ゲームの「難易度が高い」というよりも、ただひたすらに「遊びづらい」という感じです。「SIREN」はそんなゲームです。

ちなみに私はゲーム中盤までゲーム内でマップが使用できることに気づかなかったので、中盤までマップ縛りプレイをして自分でさらに難易度を上げていました。

個人的には、このゲームデザインと世界観は気に入っていますが、ゲームとして面白いよと人に勧めるのが難しいと感じています。

他では味わえないゲームシステム

羽生蛇村というループする世界

ここまで「SIREN」というホラーゲームの理不尽な部分を書いてきましたが、「SIREN」は理不尽なだけではありません。ちゃんと面白い部分もあります。でなければ、私は真エンディングまで遊んでいません。

「SIREN」でしか味わえない面白い要素として、ループする世界、条件分岐によるゲーム進行、視界ジャック、というギミックは面白いと感じました。

ループする世界、条件分岐によるゲーム進行

このゲーム、操作する人物は各ステージごとに変わりますが、普通に遊ぶとループして、また同じステージを同じ人物で遊ぶことになります。プレイヤーと登場人物たちは羽生蛇村というループする世界に閉じ込められている訳です。

同じ人物が同じ行動をとっても同じ世界がループするだけ、延々と同じことの繰り返しです。同じ行動を取ればエンディングには永遠にたどり着けません。

このループする地獄のような世界から抜け出すためには、最初にステージをクリアした「条件1」ではなく「条件2」という新たなクリア条件でループする世界を打破し、ステージをクリアしなくてはなりません。

この条件分岐によるゲーム進行がなかなか面白く、ある人物の行動が別の人物の行動や未来に影響していく流れが、ある意味「わらしべ長者」や「バタフライエフェクト」のようで、少しずつ可能性が広がる感じが面白かったです。

「視界ジャック」が生み出す面白さ

「SIREN」というゲームはジャンルは「ホラー」ですが、敵が強い上にすぐに復活するため、敵との戦闘は極力避けたいので「ステルス」の要素が強いゲームとなっています。なので、敵に見つかることを避けなくてはなりません。

それに役立つのが「視界ジャック」というシステム。他人の視界を覗き見ることが出来るので、敵が今こっちを向いているか、敵が今どんな状態か把握できます。敵との接触や戦闘を有利に進める上で「視界ジャック」は役立ちます。

「視界ジャック」をしている間、自分の視界は見えなくなるので「視界ジャック」にはリスクがあります。自分の視界と敵の視界をうまく切り替えながら状況を見極め、ゲームを有利に進めていく感覚は他のゲームでは味わえません。

「視界ジャック」はステルスに役立つだけでなく、敵がアイテムを隠した場所の把握や敵が設定するダイヤルロックの番号を覗き見ることで情報を得ることなどが出来たので、このシステム自体に無限の可能性があるなと感じました。

早戻し機能などによって難易度は若干緩和されている

今回私はリマスター版の「SIREN」をクリアしました。リマスター版はPS2で発売された初代「SIREN」と比べて様々な機能が追加されています。

「SIREN」は理不尽なゲームだと散々上で言ってきましたが、新たに追加された「巻き戻し(早戻し)」「クイックセーブ機能」を使用すれば、理不尽と思えるゲーム内容もかなりマシになります。

「巻き戻し」機能が便利すぎる

巻き戻し機能はゲームを数十秒単位でやり直せるので、初見のステージで敵の配置やアイテムの配置が分かっておらず、行動が最適化されていないのでゲームオーバーになりやすい時に非常に役立ちます。

また、クイックセーブ機能も自分がよく死にやすいポイントの直前などでいつでもセーブが出来るため、ゲームオーバーでステージ丸ごとやり直ししたくない時の保険として便利です。

この「巻き戻し(早戻し)」「クイックセーブ機能」の2つの機能のお陰で理不尽さを感じにくくなっているので、今からPS2版をやるよりはリマスター版をやったほうがいいと間違いなく言えます。

和風ホラーに興味あるなら「SIREN」は要チェック

以上が、私のホラーゲーム「SIREN」感想・レビューです。遊び始めた時は独特のゲームシステムに慣れないことが多く、ストレスがマッハで溜まりましたが、終わってみれば唯一無二な体験ができるゲームとして記憶に残りました。

今、PS Plus のクラシックスカタログに「SIREN」はあります。PS4やPS5を持っていて、PS Plusのプレミアムの加入者であれば、「SIREN」を追加料金無しでプレイできます。興味がある方は手を出してみてはいかがでしょうか。

「SIREN」は近々発売されるゲーム「SILENT HILL f」とも何処となく雰囲気が似ているので、今後両ゲームは比較されるはずです。日本が舞台のホラーゲームに関心があるなら「SIREN」は要チェックのゲームだと私は思います。

SIREN ReBIRTH 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

SIREN ReBIRTH 1 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

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今井阿見

記事をご覧頂きありがとうございます! 当ブログ『PLUS1WORLD』の記事執筆、編集、校正、プログラミング(一部)、管理を行っているのは今井阿見(いまいあみ)という個人のブロガーです。ブログは趣味と実益を兼ねて運営しています。

私、今井阿見は30年近くゲームをプレイしているベテランのゲーマー。学生時代にパソコンでゲーム作りや映像制作を行っていたので、ゲームだけでなく、映画やアニメなどの映像コンテンツ、スマホやパソコン、ガジェットなどの分野にも興味があります。

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