執念が凄い! インド映画「パッドマン 5億人の女性を救った男」感想
皆さん、今年は映画を見ましたか? 私は気になる作品はなるべく劇場で見るようにしています。
インド映画「パッドマン 5億人の女性を救った男」は前から気になっている作品でした。にもかかわらず年末年始は余裕がなく後回しにしていました。
数日前にそろそろ上映が終わる所が多いと聞いて急遽映画館に向かい作品を見てきました。思っていた以上に満足感あふれる作品だったので、以下にネタバレを含んだ感想を書き残しておきます。
映画「パッドマン 5億人の女性を救った男」感想
映画『パッドマン 5億人の女性を救った男』予告(12月7日公開) – YouTube
ネタバレなしで映画を観たほうが楽しめる
私は事前にこの映画の情報をあまり仕入れておらず「インドで生理用ナプキンの開発に勤しんだ男の話」以上の情報を持たないまま映画を見ました。
映画の予告編すら見ていなかったので、劇中で起こる展開の全てが衝撃でした! 映画を見たあとで映画の予告編を見ましたが、事前に見てなくて正解だったと思っています!
映画の予告編には話の展開のネタバレが結構含まれていますので、まだ予告編を見ておらず、今後この映画を見るつもりの方は予告編を事前に見ないことをおすすめします。
主人公の絶望的な状況の中でも諦めない執念がすごい
この映画の話のメインは「安価な生理用ナプキン」の開発です。
愛する妻ガヤトリが雑巾並みに汚い布を生理用品として使用しているのを見て、主人公のラクシュミは愛する妻のために安価なナプキンの開発に着手します。
生理用ナプキンの開発は技術的な問題が何度も立ちはだかります。それを熱意と根性で解決していく主人公のバイタリティはすごいものがあります。しかし、主人公の凄さはそれだけにはとどまりません。
主人公の熱意とは裏腹に、周りの人々というかインドに住んでいる人々の殆どが主人公の行動に理解を示してくれませんでした。
それどころか主人公のことを気が狂っているだとか、最低の男だとか、批難する一方でした。完全な「変質者」扱いでした。
なぜなら、インドでは生理に関する話題は完全にご法度だったからです。誰も応援してくれない状況が映画の後半まで長い間続きました。見ているのは結構辛かったですね。
中でも一番つらかったのが愛する妻や家族が理解を示してくれなかったことでしょう。元々は妻のために始めたナプキン開発です。なのに、妻も家族も女性の股のことばかり考えている夫は恥だと考え、家から出ていきます。
主人公のラクシュミはナプキンの開発のために周囲の人々の信頼を失い、親や妻、家族とも別れ、家から出ることになり、仕事も私財も放り捨てました。熱意を通り越していて『狂気』としか言いようがありません。
この主人公を見て、とても自分には真似できないなと思いました。ほんと凄いよパッドマン……。
どうして主人公はへこたれなかったのか考えてみた
主人公は周りの人から全く理解されず、罵倒されても生理用ナプキンの開発を諦めませんでした。
普通の人なら孤独感やストレスで開発を止めてしまうと思います。しかし、この映画の主人公は諦めなかった。
なぜ、これだけストレスの多い状況下にもかかわらず耐えられたのか。その答えは昔読んだ本の中にありました。
私が過去に読んだ本「スタンフォードのストレスを力に変える教科書」の中に、”他者をいたわると「恐怖」が弱まり「希望」が強まる”と書いてあります。
簡単に言うと「人の為」と思って行動するとストレスに強くなるということです。「思いやり」の行動はストレスの影響を弱め、勇気のある行動力を高めます。
それに当てはめて考えると主人公のストレスに対する強さは納得です。主人公は常に人のために動いていました。
主人公は富や名声を目的に生理用ナプキンを開発したわけではありませんし、ナプキン開発後にナプキンの製造や販売を女性に任せ、女性の自立を促していたことからも主人公の思想は分かります。
これを踏まえて考えると「安価な生理用ナプキン」の開発は全ては人の為、世の中のため、と考えて行動していたからこそなし得た偉業だと言えそうですね。
インドにはパッドマンがいる。日本には誰がいる?
映画「パッドマン」は世界を少しでも良くしようと考えている人やそれを支えている人を勇気づける素晴らしい映画でした。
インドと同じく、日本にも様々な問題があります。そして、インドと同じく日本にも古い慣習や古い意識がはびこっています。さらに言えば、日本にもそれらに立ち向かうパッドマンのような存在はいるでしょう。
誰もがパッドマンのようになれないとしても、彼らのような存在を応援することはできます。あなたの周りに助けを必要としている人はいませんか? 次のパッドマンはあなたの身近にいるかも知れませんよ。